･ ページ23
静寂に包まれ、誰も言葉を発しない中、耳をつんざく様な警報がなる。
侵入者発見！侵入者発見！と機械音が伝えていた。
それを聞いた先生は、表情を直ぐに戻すと携帯に手を伸ばす。
｢警察の皆さん言ったはずですよ。次の指示があるまで動かないでくださいと。大人しくしていなければ、生徒の命を保証しない、とも。｣
いいでしょう、そちらがその気なら。そう言って先生の冷たい目は中尾くんを射抜いていた。
｢最初の犠牲者は…お前だ｣
中尾くんの襟をつかみ、お腹を蹴り上げる。必死に抵抗するも虚しくその手は空を切った。前屈みになる彼の首に先生の蹴りが綺麗に入る。
パタリとその場に倒れ、気絶したことがわかった。
彼の上に跨り、甲斐くんを脅したバタフライナイフを手に取る先生。あの時と同じように器用に片手で組み立てると、大きく振りかぶり
『…っ』
中尾くんの胸に突き刺した。ゆっくりとした動作で立ち上がる先生。その手には血が着いていて、目線を横たわる彼に移せば、刺された所からとめどなく赤い液体が流れ出て制服を汚していた。
皆が息を呑む。本当に殺したのか、どうなんだ。そんな声が聞こえる。今日の日本では人が人を殺す場面を見る機会なんてそうそうない。
平和にどっぷりと浸かった皆からしたら、ありえない光景だったと思う。それも、教師が、生徒を。
｢これで大人しくして頂けますか？それとも………まだ死人を増やしますか…？｣
繋げたままだったのでたあろう携帯を手に取り耳に当てる。通話を切るとパソコンを閉じ、まだ現実を受け止めきれないみんなを見渡して
｢今日の授業はこれで終わりだ。お疲れ様。茅野、ノートパソコンもってこい｣
そう、いつもと変わらない口調で言った。
｢北原、お前もちょっと来い｣
中尾くんの死体にすがり付くようにして泣いていた水越さんを退けると、彼の死体を引きづりながら出ていく先生。慌てて茅野ちゃんの後について行った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 388人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くすさな(プロフ) - 夜空舞琳さん» すみません…気付かなかったです(><)訂正しました！よろしかったら確認お願いします！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年3月5日 13時) (
レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
夜空舞琳(プロフ) - ページ31の里見が風見になってますよ (2019年3月5日 9時) (レス) id: 560c97d27f (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - さくさん» ありがとうございます！そんな事を言って頂けるとは...感無量です(*^^*)これからも頑張りますね!! (2019年3月5日 0時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 続きがすごく気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年3月5日 0時) (レス) id: 0e87e79620 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます(´∀`)頑張りますねっ！ (2019年3月3日 16時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くすさな | 作成日時：2019年2月25日 23時
