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理由6 ページ10

サヤsaid

玄師「サヤそろそろ帰ろう」

サヤ「そうだね」

玄師「明日も行こう」

サヤ「うん、約束する」

そう言い合って帰りは歩いて帰った。
行きと同じなのは手を繋いでいるということ。
玄師くんの手は暖かい。


母「サヤおかえりなさい」

サヤ「ただいま。お母さん」

母「…サヤに話さないといけない事があるの」

サヤ「何?」

なんとなく何を言うのかは分かってた。
でも、嘘だって信じていたかった。


母「あのね、お父さん転勤することになって私達も引っ越さないと行けない…」

サヤ「知ってた」

母「え?」

サヤ「今日の朝の事本当は全部聞いてたから。なんですぐに言ってくれなかったの」

母「…それは」

私は涙を堪えながら声をあげた。
その問いかけに母の声が篭る。
…ねぇ、なんで?


サヤ「私、また出かけてくる。今日はもう帰らないから」

母「サヤ」

ドアを閉める前に母の声が聞こえた。
向かう先は…秘密基地。
さっきも来てたのに。
泣きたい時はいつも此処に行くんだ。


秘密基地について堪えていたものが一気に感情となって溢れ出す。

サヤ「っやっぱり…嫌だよっ!!…玄師くんと…離れたくないな…此処に…居たいよ…」

あとは嗚咽に似た声が響いた。耐えていた涙が止まらない。



暫く泣いていると背後から声が聞こえた。
此処を知ってるのは1人しかいない。

玄師「…サヤ?」

サヤ「…玄師…くん…なんでいるの?」

玄師「サヤが此処にいる気がしたから」

そう言うと玄師くんは私の顔を覗き込んだ。
私は慌てて顔を隠す。
泣き濡れて目を腫らしたその顔は玄師くんに見せられない。


サヤ「見ないで。私、今酷い顔だから」

玄師「サヤ、一人で泣かないで」

サヤ「え?」

そう言うと玄師くんは私を壊れ物のように優しく抱き締めた。
そしてそっと背中を摩ってくれた。
私はその優しさに触れてまた声を出して泣いた。
何も言わないのは彼なりの優しさなのだろう。
私が泣き止むまで玄師くんはずっとそうしてくれた。

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Tomo(*´∀`)(プロフ) - 現代に戻ります (2018年5月15日 17時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - そろそろ終盤に差し掛かってきた (2018年5月14日 18時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - 打上花火ですね。 (2018年5月13日 12時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - 久しぶりです。昨日からまた書き始めました。良かったらコメントお願いします。励みになります。 (2018年5月13日 11時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀`)(プロフ) - 打上花火を少し重ねています (2018年3月17日 9時) (レス) id: 13f8a09a65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tomo(*´∀`) | 作成日時:2017年6月8日 18時

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