ピースサイン（米津玄師） (ページ39)

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理由34 ページ39

サヤsaid

祭り場に着くと既に人が沢山いた。
少し離れた所で私達はそれを眺めていた。

玄師「サヤ、言おうと思ってたんだけど」

サヤ「ん？何」

玄師「浴衣、似合ってるよ。金魚と花火がサヤらしい。後はね、髪飾りも揺れて綺麗」

サヤ「あ、ありがとう。この浴衣にして良かった」

玄師くんは微笑みながら繋がれていない方の手で私の髪飾りに触れた。
その指に少しドキドキしながらも私も褒められた嬉しさと照れに笑みがこぼれる。

そして、祭り場を少し見る。

サヤ「…何だかはぐれちゃいそうだね」

玄師「…はぐれないように手を繋いでてね」

サヤ「うん。分かった。もしはぐれても玄師くんが見つけてくれるんだよね？」

玄師「必ず見つけるよ。でも、離さないから」

私は繋がれた手に少し力を込めた。
それに気づいた玄師くんは握り返して私の手を引いて歩き始めた。

祭り場の奥に入っていくと沢山の人たちが浴衣を着て屋台に並んでいたり、嬉しそうに綿あめを食べている人の姿も見えた。

そして、私達は買おうと言っていた林檎飴を見つけてその方向へ辿り着く。
屋台のライトで飴がキラキラと輝いて綺麗。

サヤ「林檎飴あったね」

玄師「結構並んでたもんね」

サヤ「なんか、屋台のおじさんにおまけだって金魚の形の飴二人揃って貰っちゃったけど」

玄師「そうだね、ちゃんと袋に入れてくれたし。綺麗だね」

私はその金魚の飴をライトに照らして見蕩れるように眺めていた。
玄師くんはそれを見て嬉しそうに笑っている。

サヤ「まだ時間あるね。どうしようか」

玄師「もう少し屋台見てみる？」

サヤ「そうだね、他に買いたくなるかもしれないし」

玄師「あ、射的とかあるね。クジは…当たらない気がするからやめとこ」

そう呟きながら2人で色々な屋台を見て歩いた。
途中で焼きそばとかたこ焼きとかお好み焼きを見つけてお腹空くからって1つずつ買った。
1つずつなのは二人で分け合って食べようって事になったから。

サヤ「あ、射的屋さんだ。やる？」

玄師「一回だけだよ？」

最初に私が射的をやって玄師くんはそれを見ていた。