ピースサイン（米津玄師） (ページ30)

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理由26 ページ30

サヤsaid

サヤ「それで…どんな夢だったの？」

玄師「…猫の夢」

サヤ「…猫？」

玄師「サヤが猫になった夢を見た。僕とサヤは秘密基地に居たの」

何を言っているのかよく分からないけど、兎に角分かるのは私が猫になって玄師と秘密基地に居るということらしい。
また不思議な夢だ。

玄師「僕がサヤの絵を描いてたらサヤが膝に乗ってきてそのまま寝ちゃうの」

サヤ「なんか、紛らわしいな…」

玄師「もふもふしてて可愛いなって思って触ってみたら嬉しそうだったからずっと撫でてた」

サヤ「…猫の私なのに恥ずいんだけど」

玄師はその夢を少し嬉しそうにでも照れながら話していた。
その後は何故か寂びそうに笑った。

玄師「…でもね、サヤは何処かへ行っちゃうの。猫ってさ。気まぐれだから」

サヤ「…そうなんだ」

玄師「だから、やっぱり人間のサヤがいいなって思ったんだ」

そう言って話を終えると玄師くんは私の目をしっかりと見ていた。
思っていることを全て見透かされてしまうくらいに綺麗な瞳をしていた。

サヤ「…それなら私も玄師くんは人間のままがいいな。こうやってちゃんと言葉に出来る。気持ちが伝わるから」

そう言って私が微笑むと玄師くんは目を見開いた。何だか少し泣きそうな顔をしている。

玄師「…サヤありがとう」

サヤ「大丈夫だよ、玄師くん」

夢の話はきっと玄師くんの心の一部なんだろう。
そう思うと忘れたくないなと心で呟いた。