夏の終わりの風 ページ7
サヤside
来たのが遅かったのもあるけど大分暗くなってきた。
秘密基地の中にはちゃんと明かりがあるからそれをつけて外を見た。
窓を開けると外の風が髪を揺らす。
いい風だな。夏の香りがする。
サヤ「夏の終わりってこんな感じだったな…」
玄師「毎年、2人でこうやって花火を見てたね」
サヤ「え？」
パッと声がする方を振り向くと玄師くんが屈んで私の隣で外を見ていた。
風が長い前髪が小さく揺れる。もう少しで見えそうで見えない片目はあの頃と変わらないななんて思いながら横顔を見た。
玄師「ねぇ今日確か花火大会だったよね？」
サヤ「えっ？そ、そうだったね」
玄師「どうしたの？」
サヤ「いや、何でもないよ。花火か…」
あなたの綺麗な横顔に見惚れてました…なんて言える訳がない。
というか、よく花火大会を覚えてたな…もしかして、今日此処に来ることを選んだのはそれを知ってて？
サヤ「玄師くんもしかしてその事知ってて…」
玄師「知ってたよ。だから、今日にした」
サヤ「ありがとう」
玄師「俺もサヤと此処で花火が見たかったから」
外の風に彼の髪がユラユラと揺れる。
此処で見る花火を覚えていたのは私だけじゃなかったんだ。
またいつか此処で2人、花火を見て夏の終わりを感じたいなって思ってた。
サヤ「夏の終わりって何処か切ないのに愛おしいよね」
玄師「そうだね」
サヤ「こうやって2人で花火を待つ日がまた来るなんて想像してなかったな」
玄師「またこうやって2人で花火を見ようって話してたのを思い出したから今日にしたんだ」
そろそろ花火の時間だろうか。
祭囃子が何処からか聴こえた。
サヤ「花火そろそろ始まるね。来れて本当に良かった」
独り言のように呟くと玄師くんは頷いて少し微笑んだ。
そして、そのタイミングで花火がヒューッと音を立てて上がった。
続く
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Tomo(*´∀｀)(プロフ) - 猫ロンさん» そうなんですね、猫ロンさんこんにちは！ (2019年6月21日 18時) (
レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
猫ロン - かなとさん» 私のコメ覧にもいましたね、、 (2019年6月19日 20時) (レス) id: 88c862199d (このIDを非表示/違反報告)
Tomo(*´∀｀)(プロフ) - かなとさん» あ！忘れてました。教えていただきありがとうございます。助かります (2019年6月16日 23時) (レス) id: 7f50799304 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年6月16日 23時) (レス) id: 188d2e5b0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Tomo(*´∀｀) | 作成日時：2019年6月16日 22時
