ピースサイン（米津玄師）2

今の私達へ ページ2

サヤside

絵を描き終え顔を上げるとそれと同じタイミングで顔を上げた彼と目が合う。
それを見て少し恥ずかしくなり目を逸らすと彼は「なんで逸らすの？」って悪戯する子供のように笑う。

サヤ「だって…」

玄師「…ん？だって？」

サヤ「それは気づいてよ…」

玄師「ごめんね、ちょっと意地悪したくなった」

そう言って玄師くんは困ったように微笑む。
そんな顔されたら許すも何も…ね？


サヤ「怒ってないよ？」

玄師「そっか。良かった」

サヤ「うん。あ、それよりも描けた？」

玄師「今丁度描き終わったよ。サヤは？」

その言葉に私が頷くと彼は微笑んで描いた絵を手に取る。


サヤ「そっか。じゃあ、見せ合いっこしようか」

玄師「そうだね。はい、どうぞ」

サヤ「ありがとう。玄師くんもどうぞ」

玄師「ありがと」

そう言って交換して私は玄師くんが描いた絵を見た。
これって…もしかして？

私は思わず目を見開く。
どうしよう…また泣いてしまうかもしれない。


サヤ「…ねぇ玄師くんこれって…」

玄師「今の2人だよ。これからもずっとこんな風に2人で居たいなって思って…それに前にサヤが描いた絵へのお返しだよ」

玄師くんが描いた絵は2人が今、大人になった姿で笑い合っている絵だった。
絵の風景は恐らく部屋の中。
子供の頃よりも絵が上手くなっていて、でもちゃんと玄師くんの絵だなって思う懐かしさがあった。

玄師くんも私の絵を見て驚いた様子だった。
そして嬉しそうにまた笑った。

お返しのお返し→←ポンジュースと絵続き

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す