ビニール傘に恋恋－佐野玲於－ (ページ27)

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佐野くんと同じ20(ハタチ)のときは
年上の男性に憧れて

数年経って、あのときの私と同じ年下の男の子に出会えば
その初々しさに可愛らしさを感じて

一体、私は何がしたいんだろう。

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『今さらっすけど、(人1)さん夕飯まだで大丈夫でした？
勢いで誘っちゃったけどもう食べ終わってたとか…』

「まだだったので全然大丈夫ですよ。
見ての通り仕事帰りですし」

『遅くまで大変すね…社会人って凄いなぁ』

「おつかれっす」と言ってペコっと頭を下げる佐野くん。

コンビニまでの道を２人並んで歩く。
自然と車道側を歩いてくれたり、ヒールの私を気にしてか
時折歩幅を気にしてくれたり。彼は間違いなくモテる。

「佐野くんだってバイトしてるじゃないですか？
バイトも正社員も仕事に向き合う姿勢は同じです。
バイトお疲れ様です」

そう言うと、突然隣を歩いていた佐野くんは足を止めた。

不思議に思って振り返ると、そこはちょうど街灯の下で
佐野くんの顔が真っ赤になっているのが分かった。

「ラーメン食べてる時も思ったけど
佐野くんってすごく肌白いですね」

湯気で頬を赤くしながらラーメンを啜(すす)る姿が可愛かったのを思い出した。

でも、今はなんで顔を赤くしているんだろう…？

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