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[ You're side ]
タクシーに揺られながら
今日のことを思い出した。
私のために泣いてくれた彼のことを
2歳しか違わないけど、彼の言葉や表情はまだ幼くてあどけない。
私の話を聞きながらどんどん暗くなる表情や
躊躇いながらもストレートに投げかけられる質問。
9歳年上の男性と不倫関係にあったせいか 同年代の男性ですら、少しだけ子供にみえてしまう。そのため明らかに年下の彼には可愛さを感じた。
「…佐野くん、だったけかな」
帰り際 頑なに送ると言う彼を制して タクシーで帰る今、最後になって初めて聞いた彼の名前を口にする。
私なんかのことで泣いてくれた彼の涙はとても綺麗で、もう会えないのかと落ち込む表情は放っておけなくなる。
彼から寄せられる好意になんとなく気づいていたけれど
いつもより速い、私のこの胸の高鳴りには
" きっと熱のせいだ "
そう言い聞かせて
気づかないふりをした…
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作者名:ちむー | 作成日時:2021年10月20日 18時