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[ You're side ]
彼の言葉は私にとって、とても甘い蜜だった。
それが私の心も身体も麻痺させていく_____
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ホテルのベッドの中、チェックアウトまでの時間をゆっくり過ごす。彼の腕の中はとても居心地が良い。
「私、よくものを失くしちゃって…
自分では大切にしてるつもりなんだけどね。
でも
"自分では大切に思ってても、本当のところそれが本心じゃないから簡単に失くしたり、手放したり出来るんだよ" って昔付き合ってた人に言われたことがあって」
杉崎「はぁ?なんだそれ。最悪じゃん そいつ、偉そうに。
いいか?(人1)、よく聞けよ?
ものを失くすのは別に悪いことじゃないさ。
(人1)は人から借りたものを失くしたり、壊したりしたことあるか?」
「ううん、それはない」
杉崎「ん。じゃあ問題ねぇよ。
確かに誰かにもらったものを失くしたら、悲しいし 落ち込むし、そりゃ失くさないに越したことはないけど、また新しい何かに出会えるかもってポジティブに考えろ。な?」
" ま、俺もよくもの失くすから偉そうなこと言えねぇけど。
似てんな、俺ら "
どこかズレてる彼らしい ぶっきらぼうなその言葉が
私にはすごく嬉しくて。
優しく頭を撫でてくれるその手からは愛を感じた。
…2番目でもいい
1番じゃなくてもいいから
彼のそばにいたい、って
そう、本気で思っていた。
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作者名:ちむー | 作成日時:2021年10月20日 18時