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[ You're side ]
「今日は一日社内で仕事だったのに 急な用事で早退することになって、外に出てから傘を忘れたことに気づいたんです。そのときはまだ雨は降ってなくて、降り出したら買えばいいやって」
『それで
小さく頷く。
「この頬の腫れは____
_______不倫相手の奥さんに叩かれたんです」
『…え?』
そろそろ潮時かなって思っていたけど。
仕事中にスマホが鳴って、着信相手を確認すると不倫相手からで、電話に出るとそれは不倫相手本人ではなく その奥さんからだった。
興奮した様子で捲し立てるように怒る奥さんに、何も言わずに黙って聞いていると 逆にそれが気に障ったのか更に罵声を浴びせてきた。
自分が悪いのは分かりきっていることだから、あえて黙っていたけどそれはそれで良くなかったらしい。
でも、だからってどうすればいいのよ。
何か意見したところでそれも許してもらえない。素直に謝ったところで、ならば最初から不倫するなと言われるのは目に見えている。
「簡単に言うと 不倫してることがバレて、呼び出されて、バチン!ってね」
『…なんだか
「どうせ不倫なんて長くは続かない…って言っても、大学時代からだから 3、4年くらいになるけど。
いつ終わっても仕方ないって気持ちだったから別にいいの」
『…俺には別にいい、なんてゆう風には見えないっすけど』
無理しているわけではないのに、そう言う彼の方を見る。
『ちゃんと好きだったんすね、その人のこと』
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作者名:ちむー | 作成日時:2021年10月20日 18時