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52・鮮明になっていく仮定 ページ2

すっかり暗くなってしまった帰路をトボトボと歩く
いつもよりゆっくりだからか、流れる景色がよく目に入る

(あれ、あの木あんなに大きかったっけ?)

そんな事を思いながらも、頭の中は一つの事一色で

《ただ、旅人が貴方に特別な感情を持っている事も確かでしょう。貴方がそばに居ることで、扉を旅人自信が開けるかも知れません》

そう言う榎木先生の顔は真剣で、まるでその事を信じていたい、そんな感じだった

私がそばに居ることで……

でも、日暮さんにはAさんがいるし、昔からの付き合いらしいし、彼女が居る事が最善ではないだろうか
彼のあの優しい眼差しとは別の、娘や友人とはまた違う…愛しい人を見る目とでも言うのだろうか
あの眼差しを向けられているのは、間違いなくA
さんだ

それを知ってて何故私に「旅人を救うのを手助けしてくれ」の様な言い方をしたのだろう
日暮さんの過去を知るAさん…………過去

過去

何故かピンと糸が張ったように思考に引っかかる

もし関係しているものが【過去の記憶】だとしたら、私が考えていた憶測が鮮明になっていくのではないだろうか

日暮 旅人

旅人

たびと

……たぁ君

先程、榎木先生の言葉によりシャットダウンされたたぁ君との記憶
一緒に手を繋いで大きな大きな木の下を回ったりした
好きなものが一緒で、盛り上がった話
楽しかったことや、毎日遊んでいたことは覚えてるのに
どうしてもたぁ君の顔と名前が思い出せない
「昔の事だから」と割り切ってしまえばいいのだが、もしかしたらたぁ君かも知れない人がいて、思い出せないのは勿体ないだろう

陽「旅人……旅人君……たぁ君」

あだ名として無いような名前でもないから、余計に有り得ない話でもないのだ

もし、本当に日暮さんがたぁ君だとしたら……?

陽「たぁ君……いや、そんな分けないよね」

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作者名:友美桜 | 作成日時:2017年5月24日 21時

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