11・君というメンバー【秘密】 ページ11
モトキの問にも答えられず、自分が息をしているかもわからない
とにかく、酸素が体に回ってないことは何となく感じられた
モトキ「……取り敢えずお風呂入ってきなよ。」
『……うん』
心に触れる優しさ。できるだけ優しい声で、できるだけ俺を怖がらせないように声を掛けてくれてる
すぐさま秘密の真実を迫ることも無く、「まるで待ってるから」みたいな言い方
つくづく彼の優しさが心に染みた
いつの間にか固く握りしめていた服と一緒に中に入る
なかなか取れない血糊、ドッキリ時よりさらに黒くなり塊を増すそれは本物の血の様で、同時に俺の気持ちをあらわしているかのようだった
お風呂から上がり、いつもの様にリビングに帰ってくる
ただ一つ違うことは気持ちも足取りも重いという事だ
もう2度と皆と笑い合える関係になれないんじゃないかと、もう友達として見てもらえないんじゃないかと
こころは重くなるばかりで、前に進めない
やっとの思いでリビングへ繋がる扉を開ければ、みんなグースカ寝ていた
モトキの姿が見えない。今日は皆リビングに寝ているはずなのに姿が見えないと言うことは、シルクの寝室か
寝転がるンダホを踏みつけないように、音に敏感なシルクを起こさないように寝室に向かった
カチャリとドアを開けば、振り向くモトキ
控えめな明かりがついていて、リビングで寝ている彼らを気遣っているのが分かった
薄く笑って「おいで」と自分の横を叩く
シルクの布団が敷いてあったので、バフと音を立てた
少し遠慮気味に離れて座る。何となく今までの距離感じゃ無理だった
モトキ「服の血糊とれた?」
『……何とか』
モトキ「そっか。ありがとう」
他愛もない話、いつも通りのはずなのにどこか違う
息が苦しくて、肺が押し潰されている感覚だった
少しの沈黙が無音を醸し出す。やがて自分の呼吸さえも聞こえだした
遠まわしに話を進めるモトキ
不意に目が合った
ここだと言わんばかりに、彼の目が鋭くなる
モトキ「もう1回聞くけど…Aは男性?女性?」
答えたくない。答えたら全てが終わってしまう
会った目を逸らし床を見つめる
気のせいか歪んで見えた
モトキ「……Fischer'sは、みんなの絆は、そんな簡単にはぐずれない。だけどそこに秘密がないからこそだと思うんだ」
モトキの言わんとしてる事はわかる。分かるよ
でも……
モトキ「僕はAというメンバーを失いたくない。だから教えて」
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友美桜(プロフ) - まなかさん» ありがとうございます(´˘`*)まちまちになってしまってますが頑張ります! (2018年1月7日 6時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
まなか - すごく面白いです! 更新頑張ってください^^* (2018年1月6日 10時) (レス) id: d753ca05a1 (このIDを非表示/違反報告)
友美桜(プロフ) - みかんさん» すみません。最近何かと忙しいくて更新できていません…。ですが、少しずつ書いているのでご安心ください。用事が一段落したらまた毎日更新出来るかと。ご迷惑おかけします。体調にも気をつけますね。ありがとうございますσ(´ω`*) (2017年10月11日 7時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 少し早めに書いていただくと嬉しいですこれからも体調崩さずに頑張ってください! (2017年10月8日 8時) (レス) id: 3b59d20649 (このIDを非表示/違反報告)
れやーと - 友美桜さん» いえいえ…!こちらこそ、失礼しました!イベント参加、全然迷惑じゃないです!むしろ嬉しいので、どうぞお気軽に…(●´ω`●) (2017年9月6日 12時) (レス) id: 560fb3554a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:友美桜 | 作成日時:2017年8月9日 2時