私日常 (ページ20)

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20話～in彩瀬真皇～4年前ページ20

まおー視点

「テメェ！舐めてんのか？！あ"ぁ？？！」

「年下のくせに生意気な野郎だ！！」

薄暗い路地裏によくたむろしている不良の怒鳴り声が聞こえた

そこには何十人もの不良とひとりの男が対面していた

魔王『あ？うるせぇんだよ、歳でしか威張れねぇ奴が俺様に話しかけて来てんじゃねぇカス』

「んだとっ！！」

中学生時の彩瀬真皇…もといまおーは不良だった

漆黒の髪に弱肉強食の世界を表したような鋭い目、四年後のまおーには感じられない恐怖

俺様の煽りにのった不良共は一斉に殴りかかってくるが呆気なく敗れる

魔王『ハッ、雑魚がほざくんじゃねぇよ…』

？「真皇っ！！」

魔王『…チッまたお前かよ、中原』

真皇の幼馴染である中原と呼ばれた少女

身長は高くはなくオレンジ色の髪を風に揺らしながら路地裏の出入り口前に立っていた

俺はため息をし中原の横を通り過ぎ路地裏から出た

中原「待っててば！」

魔王『あ"ー、んだよ説教はお断りだぞブス』

中原「なっ…」

後ろから追ってきた中原の額にデコピンをした

額を抑える中原を気に止める様子もなく歩き進めた、向かう先は商店街

フラフラと商店街を歩く、真皇と中原

さっきまで後ろに居た中原はいつのまにか横に移動して隣に歩いていた

俺は呆れたように中原を見る

魔王『…お前いつまで着いてくんだ』

中原「真皇が悪さしない様に見張ってるの」

魔王『つまり、俺が家に帰るまでって事…か』

中原「そうよ、放っておいたら何するかわからないもの」

魔王『とか言ってお前俺と一緒に居たいだけだろバレバレだつーの』

そう言うと真っ赤に頬を染める中原

俺はケラケラとその反応が分かっていたかのように笑った

中原が俺に好意を持っている小さい頃から知ってる鈍くないからな

中原「な、なに馬鹿なこと言ってんの！？夕飯の用意買うんでしょ！早く買って帰るわよ」

魔王『俺、飲食店で食べる予定だったんだけど』

中原「私が作ってあげるって言ってんだからごちゃごちゃ言うな！！」

魔王『あーハイハイ』

グイグイと背を押して急かした中原の顔は林檎の様だった

真皇も先程の不良に向けていたオーラは無くただの中学生そのものだった

だからだ…だから、あんな事になったんだ……

魔王『っ！中原っ！！』

中原「カハッ…ゴホッ」

薄暗い倉庫でゴミのようにボロボロになり捨てられていた中原

下品に笑う、男共……

俺の今世紀最大の後悔…＿＿＿＿＿＿