171 広臣 ページ24
岩ちゃんの話を聞いた俺は、しばらく頭が働かなかった。
家に帰ってもそのことばかりで。
岩ちゃんは俺より先にAに気持ちを伝えた。
行動力では俺、完璧に岩ちゃんに負けてる。
早く言わなきゃって・・・それは分かってんだよ。
でも、タイミングが分からない。
隆二にでも聞いてみようかな・・・
いや。
これは自分自身の問題だから、人の手を借りるわけにもいかないんだ。
にしても、散々Aの事傷つけまくってたのに、得しちゃっていいのかな。
岩ちゃんは俺のこと羨ましいって思ってるよな。
ごめんな、岩ちゃん。
散々、Aの心に傷をつけちゃったけどやっぱり俺はAの事が好きだ。
きっとそれはずっと変わらないと思うんだ。
気がつけば岩ちゃんにLINEをしていた。
『岩ちゃん、今日は正直に話してくれてありがとな。俺、近いうちにちゃんとAに気持ちを伝えようと思うんだ。背中押してくれてありがと。』
暫く経つと、岩ちゃんから返信が来ていた。
岩『こちらこそ、いきなりでごめんなさい汗
臣さん、頼みますよ〜?前みたいに泣きっ面で帰ってこないでくださいよ?笑』
岩ちゃんって案外意地悪なとこもあるんだな〜なんて思いながらインスタを開いてみた。
ん?
俺の投稿にコメントが来てる。
見てみると、Aからだった。
”たまには嬉しいこと言うじゃん!!この野郎”
だから俺も、
”だって本当の事だもん。この野郎”
って送っておいた。
しばらくインスタを眺めているとAも俺たちと同じ写真をアップしていた。
A”今日は私の手作りで三代目の7周年記念をお祝いしてきました。みんな喜んでくれて何よ り。売っているケーキより美味しいってみんな言ってくれて、頑張ってよかったなって 思いました。8年目も応援してます!みんな大好き!”
俺はその文章を見て、衝動に駆られながらAにLINEをした。
『A、今週の日曜日さ会えないかな?』
これでいいんだ。
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作者名:うさぽん | 作成日時:2017年10月7日 21時