deepred miracle <sho.hirano> (ページ44)

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44話ページ44

紫｢俺の両親、ちっちゃい時に離婚したんだよ。｣

紫耀の口から語られた言葉は、いつもの笑顔からは想像もできないものだった。

紫｢で、そっから心閉ざしちゃって。それから1人ぼっちのことが多かった。｣

紫｢そんな時さ、たまたま通りかかったところですっごい泣いてる人がいて。俺、声掛けたんだ。｢なんで泣いてるの？｣って。｣

私は胸がドキッとした。

紫｢なんか俺、一瞬でわかったんだ。この子一人だ、俺と同じ境遇だって。｣

紫｢そんでいてもたってもいられなくなって、話たいって思ったんだ。だから家にあげてって頼んだ。そしたら案外すんなりおっけーしてくれて。｣

『紫耀…。』

紫｢たしか、両親を亡くしたって言ってた。でも、名前も覚えていない。そしてその時、その子に言われたんだ。｣

紫｢あなたにはまだ信じてくれている人がいるって。その時気づいた。どんな状況であっても、俺にはお母さんもお父さんも弟もいるって。｣

紫｢だから、精一杯出来ることしようって。だからジャニーズに入ることを決めたし、今頑張れてるのもその言葉があったからなのかもしれない。｣

紫｢その子にお礼を言いたいんだ。｣

私は全て思い出した。