deepred miracle <sho.hirano> (ページ30)

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30話ページ30

『話って…何？』

10講はもうしばらく使われていない狭い講義室で、やけにしーんとしているから緊張してしまった。

廉｢あのさ…。｣

いつも通りオシャレでかっこいい廉が、

廉｢紫耀のこと好きなん？｣

こんなこと言うと思ってなかった。

『そ、そんなわけないじゃん！だって会う機会もないし、言うまでもなく芸能人だよ？』

廉｢じゃあ俺のことも好きやないんだ…。｣

『えっ…。』

廉｢リップ、香水、コート。｣

『…な、なんで知って…』

廉｢俺が毎日付けてなって言ったネックレスは？｣

廉｢俺のこと頭の片隅にもないんやろ？？紫耀でいっぱいいっぱいなんやろ？なぁ！｣

『そんなこと…』

廉｢出会ったあの日も、ドライブしたあの日もAにとってはどーでもいい事だったんやろ？なんでいつもいつもこうなるん…？俺の何がダメなん？？？｣

『やめて！！！』

頭がいっぱいいっぱいになった私は、こう叫ぶことしか出来なかった。

『たしかにネックレス付けるの忘れてた…。でも、』

廉｢でも、何？｣

廉と会ってから毎日が楽しくなったこと、いつも優しくて、面白い廉が好きなこと、ネックレスは宝物だってこと。

言いたいのに言えない。

廉｢ほら、なんも言えんやん。｣

そう言って廉は私を置いて出ていった。