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先ほどとは比べ物にならないほど心臓はうるさく鳴っていた。


もう、どくどくじゃなくて、だん!だん!というように鳴っていた。


目の赤い三日月宗近は、目を細め、口角を釣り上げ、心底この状況を楽しんでいるようだった。




怖いを通り超してもう、……よくわからない、焦りに似た感情が渦巻いていた。



恐怖と焦りは似た気もするが…。





頭はぐるぐるどうでもいいことを考えては忘れてを繰り返している。



私の体は震えて、瞬きすら忘れて赤い目から、視線を逸らせずにいた。




背中や首筋に冷たい汗が伝って、身震いする。



なんなんだよぉ…この沈黙…殺すならいいっそのこと今グサッと殺してくれよ…。



涙ぐんできて、睨むに近い視線を送る。




そして、やっと三日月宗近は動きを見せた。




視線は私から外さず、手をあごに当て、考える素振りをした。





私を逃がしてやろうだとか、そんなことは考えてないだろう。



考えていたとしても、すぐに捕まえて、絶望させてやろうとかだろうけど。




こんな状況で逃げろと言われても無理だよね。



私たぶん腰抜けてる。





もう少し開けたところに隠れるか、見つかる前提で窓に腰掛けた状態でいることもできたよね。



「立ち上がってはくれんか」




優しげな声で言った。


だが目は冷たく見下ろしてくるままだ。




ぎしぎしと壁を軋ませながら、ずるずると立ち上がる。



足が震えすぎて、立ち上がるのすら一苦労だ。




腰は抜けてない。



耐性付き始めたかな、私。




奥歯がかちかちとなる音を聞きながら、三日月宗近を睨む。





「そう睨むな」



するりと私の頬を撫でる。



近い近い。



ほんとこれ胸近なんだけど。



冗談言ってる場合じゃないよ。




余裕があるのか焦りすぎてパニックになっているのかわからない。






とにかく三日月宗近が危ないことをしそうな予感がした。

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ニャンコソバ2(プロフ) - 若葉さん» うわぁあ!!まだ見てくださってた方が…!!ありがとうございます頑張れます…!! (2020年11月8日 10時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 更新待ってます! (2020年11月8日 1時) (レス) id: 5ef262c096 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - 幸別愛友さん» ありがとうございますー!!!これからもどうぞよろしくお願いします!! (2019年12月14日 6時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - この世界観すごく好きです!続きがすごく楽しみです!待ってます!! (2019年11月12日 23時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - さらさん» うわぁあありがとうございます!!!!!オチは悩み中です…。いきあたりばったりで書いてる駄作者なので…。 これからも応援よろしくお願いしますっっっ (2019年11月5日 22時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニャンコソバ | 作成日時:2018年12月31日 17時

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