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〈俺の神力で居場所がばれるらしい〉


それだけ、書き捨てられていた。



もしかして一度、目の赤い三日月宗近が来たのだろうか。


想像して、身震いする。



薬研さんがいたら、居場所がわかってしまう。


だけど、私一人、居場所がばれたら終わりじゃないか。


危険を侵してもいいから、薬研さんと一緒に行動したかったなー…なーんて。



生きて会えるのかすらも定かではないこの状況で、待ち合わせとかなしに別れるのが少し怖かった。



会って数日しか経ってないけれど、私的にはけっこうな信頼関係を築いてると思いたかった。




紙を折り畳んで、ポケットに入れる。


…としようとして、服がバスローブ劣化番ということに気がついた。



『んん』


置きっぱなしにしたら、なんかだめな気がする。



どこかに隠しておこうと見渡すと、まあちょうどよさげな棚がたくさんある。


読む気もなくしそうな分厚い本がたくさん詰め込まれて重みに耐えきれずへこんでいる棚もあった。



なんかおもしろい。



私はそこに近づいて、埃にまみれた本の隙間に紙を差し込んだ。



ががが、がが


心臓が沈む感覚。



お腹の底が冷たくなった。



下で、立て付けの悪いドア…が、開けられたのだ。


腰を浮かして、震える足をなんとか動かし、棚の後ろに移動した。



階段からは、たぶん一番遠いであろう奥。


積み重なった湿気った段ボールの影に隠れる。




考えたくはなかったが、薬研さんではない。


薬研さんより重そうな足音を立て、それは階段をあがってきた。



耳元で太鼓が叩かれているように、その足音が聞こえる度、心臓はうるさく高鳴った。

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ニャンコソバ2(プロフ) - 若葉さん» うわぁあ!!まだ見てくださってた方が…!!ありがとうございます頑張れます…!! (2020年11月8日 10時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 更新待ってます! (2020年11月8日 1時) (レス) id: 5ef262c096 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - 幸別愛友さん» ありがとうございますー!!!これからもどうぞよろしくお願いします!! (2019年12月14日 6時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - この世界観すごく好きです!続きがすごく楽しみです!待ってます!! (2019年11月12日 23時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ2(プロフ) - さらさん» うわぁあありがとうございます!!!!!オチは悩み中です…。いきあたりばったりで書いてる駄作者なので…。 これからも応援よろしくお願いしますっっっ (2019年11月5日 22時) (レス) id: addc7bb8eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニャンコソバ | 作成日時:2018年12月31日 17時

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