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こと、こと。
子気味のいい音をたてながら、朝餉が並べられるのを見ていて、ふと疑問に思った。
なぜ、人間でもないのに飯などを食べるんだ?
私は生きていた、そうわかる時は腹が減り死にそうになった。だが、いつからか。きっと、化け物になった時だろうが、腹が減る感覚など忘れてしまった。
そんなに-あいつ-が気がかりだったのだろうか。そんなに-二匹-の死が衝撃だっただろうか。
考えて、笑えてくる。
私『なんで私は何年も生きてきて、自分のことがわからないんだ…』
きっと蛙が水に飛び込むくらいの水音で掻き消されてしまうような声だっただろう。自分でも、他のやつに聞かせるつもりはなかった。
…だがなぜだ?気づいてと叫んでいるような気がしてやまない。聞いてよと、なんで聞こえないのと、懇願するかのように泣き叫んでいる誰かが思い浮かぶ。
誰だ。私では、ないはずだ。私はそんなことを言わない。それに、そんな誰かに懇願するようなこともないからだ。
私は、疲れから来る空想。そう考えることにして、その空想を振り払うごとく小さく首を振った。
自分が考えて、出した結果が、最終的に違うと気づくことになるのは朝餉を食べ終わって何時間後だった。
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朝餉を食べ終わり、何時間か考え事をしてぼーっとしていたが、誰にも話しかけられないようだった。
まぁ、気楽でいいが。
そこで私は思い出す。
私『あ、報告書…』
そういえば、だ。
来た初日に出したっきり、何も書いてなかったじゃないか。
久しぶりに、書くとするか。
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部屋に着き、たんすの前に散らばっている紙の中から適当に一枚引き抜く。近くにあったペンとやらを乱雑に握り、紙の上を走らせる。
…まずは身の安全を報告するか。
「私はまだ死んではない。これから死ぬ気もさらさらないが。」
次に…
「刀たちが一番怯えていたであろう池とやらを始末した。そこで折られた刀たちも復元してやった。おかげで本丸が窮屈になっている。同じ奴らもいるから、刀たちにこれからどうするかを聞いてみた。」
これでいいか…あ、ついでに…
「ここの刀たちは感情表現が空気で分かるぞ。あと、皆同じような表情や空気によくなるから、よく分からん。」
これでいいな。
よし。
私『狐』
狐「はい、九尾様。」
私『ほれ、報告書だ。私は眠いから寝る』
そういった矢先。私はぷつりと眠りに落ちてしまった。
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ニャンコソバ3(プロフ) - 咲くやさん» ありがとうございます!!!違うアカですが本人です。更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!! (2018年7月26日 8時) (レス) id: c7b4c89e21 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2018年7月26日 3時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
幸舞(プロフ) - 幸子さん» 返信、遅くなりました汗 (2018年7月6日 0時) (レス) id: 20f1c47c0c (このIDを非表示/違反報告)
幸舞(プロフ) - 幸子さん» 楽しんでもらえてよかったです!ありがとうございます!!頑張ります笑 (2018年7月6日 0時) (レス) id: 20f1c47c0c (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 今日初めて読んでついつい一気読みしちゃいました…刀剣乱舞についてあまり知らないのですが楽しめました(о´∀`о)Wi-Fiとの闘い頑張ってください!! (2018年6月24日 1時) (レス) id: f5f75bb811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニャンコソバ x他2人 | 作成日時:2018年6月2日 23時