消された存在の妖が今、必要とされるようで。[弐]

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ごちそうさまでした。そう言って何時間か経ったのだろうか。




三日月宗近と鶯丸が茶を飲んでいる横で、私は考え事をしていた。







まずは、掃除だよな。






こんなに空気が悪かったら、正気でいられない。






鶴丸みたいに堕ちなければいいが。





鶴丸一振りでも死にかけたんだ。





これが三振りや四振り、集団できたら私は尾をまいて逃げる他ないな。







?「だーれだ!」





いきなり視界が暗くなった。





隙間から光が覗いている。




それに、この温かさは体温。



これは手だ。






私は確信した。







だが、この誰だ、とは手の主を当てなければいけないのか。







狐火は有能だから、すぐにわかったが、聞き返すことにした。






私「だーれだ?」





?「もう、ちゃんと当ててよ〜主さんっ」






私「いや、私には検討もつかないな。誰だ?」






?「正解は、ボクでした〜!」





顔を強制的に上に向かされ、乱の顔が見えた。






私「おぉ、乱だったか。いやー分からなかったな」





私が感心し言うと、隣にいた薬研がはいってきた。






薬研「嘘だろ大将。声が棒読みとかいうやつだったぜ」





乱「ちょっと薬研!そういう嘘は、たちが悪いよっ」




私「ばれたか」





乱「えぇっ!?」





薬研「ま、大将も暇なんだろ?ちょっくら手伝ってくれや」




乱の後押しもあり、私は手伝うことにした。



私「何をするんだ?」



すると、二振りはきょとん。という文字を頭の上に浮かべ、私を見た。




そんな顔をされるなんて思ってもみなかった私は、少し焦ってしまった。




私「…は?何か手伝えというのだったら何かあるはずだろう?」




私の言葉に乱と薬研は、顔を合わせて苦笑した。



乱「えっと…普通はそうなんだろうけど…」



薬研「俺らもけっこう長い間ブラックしてたからなぁ。」



薬研が遠い目をして言って、一瞬だったが乱の目の色が沈んだ。



乱「…ほら、七夕とかさ、ひな祭りとか、あるじゃんっ?そういうの、みんなでしたら楽しそうだなぁって」



乱がすこし寂しそうに笑う。


気づいていない振りをしたいが、どうやら私は演技が下手らしい。




私「そんな寂しそうにするんじゃない。費用は政府を脅せばいくらでも出てくるだろう。…お前らのしたいことだったらなんでもしていいぞ」



私が言ってる途中から目を輝かせ出した二振り。



その二振りの目の先には私がいる。


私はこんなのも悪くない。など思いながら、乱の提案に耳を傾けていた。

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