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私の素早さはもうない。鶴丸が刀を振れば私の息の根は止まるだろう。









私「あぁ…めんどうくさい…」





これまでに私は追い詰められたこともなかったし、疲れたこともなかった。






私の思考は投げやりになっていたのだろう。






私は止まり、鶴丸を見た。




睨むわけでもなく、微笑むわけでもなく、ただ、見た。






私「鶴丸の」





言いかけて、鶴丸の様子を見る。






こちらに斬りかかってくる様子はない。





私は、最初から、言う。





私「鶴丸の堕ちた原因を燃やす!」







一か八か。もう、めんどうくさい。が、諦めたら死ぬ。







私は鶴丸に掌を向けた。









すると、鶴丸を取り囲むように黒い霧が渦巻いた。



私は戸惑って、気づいた。



…いや、これは鶴丸が、じゃない。





私が…?





足の感覚がなくなった。







私の目には空が映った。







時がゆっくりと進む。







黒い霧の正体は、目眩、だった。







馬鹿らしくなって、泣きたくなる。





よりによってこんなところで目眩を起こして、殺される始末か。









私が走馬燈などあるのだろうかなんて考えていた、瞬間。









何かが爆発したような音がした。









あのとき、私の棲み処が奪われたときととても似た音。






驚いていると背が地に着いた。






思わず目を閉じたが、不思議と、痛みはなかった。が、すぐに尾のためだと気づく。









どぉん!ぱちぱち…。







二回目の爆発。どうやら私の頭上で爆発があっている。







おそるおそる目を開ける。





すると初めに見えたのは私の腕だった。







私の腕が、空に向かって伸びている。






目を見開いて見ると、青い光が空に昇って、花を咲かせた。




爆発音とともに。






私「…花…火…」






いつのまにか目じりに溜まっていた涙が頬を伝っておちていく。









きれい、だった。





鶴丸のことや、ここが本丸ということなど忘れてしまうほどに、きれい、だった。









そういえば、と鶴丸を見る。






鶴丸も、さっきの私と同じように、じっと花火を見ていた。

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ニャンコソバ3(プロフ) - 咲くやさん» ありがとうございます!!!違うアカですが本人です。更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!! (2018年7月26日 8時) (レス) id: c7b4c89e21 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2018年7月26日 3時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
幸舞(プロフ) - 幸子さん» 返信、遅くなりました汗 (2018年7月6日 0時) (レス) id: 20f1c47c0c (このIDを非表示/違反報告)
幸舞(プロフ) - 幸子さん» 楽しんでもらえてよかったです!ありがとうございます!!頑張ります笑 (2018年7月6日 0時) (レス) id: 20f1c47c0c (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 今日初めて読んでついつい一気読みしちゃいました…刀剣乱舞についてあまり知らないのですが楽しめました(о´∀`о)Wi-Fiとの闘い頑張ってください!! (2018年6月24日 1時) (レス) id: f5f75bb811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニャンコソバ x他2人 | 作成日時:2018年6月2日 23時

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