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鶴丸は少し目を見開き、ゆっくりと顔を上げ、私を見た。
その目の鋭さに、どきりとする。
私「鶴丸…？」
私は膝立ちの状態で、鶴丸の肩を握っている。
そこから、私は力任せにがくがくと鶴丸を揺さぶった。
私「鶴丸…？鶴丸…っ！」
鶴丸は、私の目から視線をずらさない。
さっきと同じように、泣きそうな私が鶴丸の瞳にいる。
鶴丸の口が、微かに、ゆっくりと開いた。
どんな言葉がくるのか身構える。
だが、かすれた声で私の耳に届いたのは、言葉というよりは、単語…といった方が正しいだろう。
鶴丸「…あ…るじ…」
未だ私から視線を外さない鶴丸から聞こえた単語は、本当に小さな声だったのだろう。私の耳でもやっとのことだった。
私「ど…どうした？何か…」
私が言いかけたとき、確かに見た。
聞こえてはないが、動いた。鶴丸の、口が、ゆっくりと。
に げ ろ
私「え…？」
私は、何言ってるんだ、というように苦笑するが、うまく笑えない。嫌な汗が出て、鶴丸の肩を握っている手が汗ばんでくる。
とても、嘘とは思えない。見間違いでも、ないだろう。
すると、私を見ている鶴丸の瞳に赤い光が射した。
なぜだ？ここには赤い花も赤い果実もないはずだ。なにかが反射するというのはないはずだが。
そんな呑気なことを、私は焦りながら考えていた。
瞬間、だった。
鶴丸がすごい形相になり、叫ぶ。
鶴丸「主……!!!にげ…ろ…と……言って…るんだ……!!!」
途端、鶴丸は私を突き飛ばした。
驚いていたものだから、不意打ちで、身構えれなかった。
私は、閉めてあった障子を背中に受け、それでも勢いはおさまることなくごろごろと転がり、縁側から落ちて、背中を打った。
咳き込み、焦点を合わせる。化け物だからといえども、この体はまだ二桁の小娘だろう。
私「鶴…」
いつのまに、持ったのだろう。
右手には、刀が握られていた。
どす黒い、毛が逆立つような雰囲気をまとっていた。
鶴丸は、ゆっくりこちらに近づいてきながら、不安定なのだろうか、変な表情をしていた。
目は、瞳孔が縮まり、野生の獣のような目でいて、口の端は吊り上がっているが、何かを抑えている、今にも泣きそうな表情だった。
鶴丸は、口を歪ませ、言う。
鶴丸「主…感情が溢れて…止まらないんだ…!!」
もう、抑えられなくなったんだろう。
その言葉が合図のように、鶴丸は笑い、飛び上がり、私に刀を振り上げた。
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ニャンコソバ3(プロフ) - 咲くやさん» ありがとうございます!!!違うアカですが本人です。更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!! (2018年7月26日 8時) (
レス) id: c7b4c89e21 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2018年7月26日 3時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
幸舞(プロフ) - 幸子さん» 返信、遅くなりました汗 (2018年7月6日 0時) (レス) id: 20f1c47c0c (このIDを非表示/違反報告)
幸舞(プロフ) - 幸子さん» 楽しんでもらえてよかったです！ありがとうございます!!頑張ります笑 (2018年7月6日 0時) (レス) id: 20f1c47c0c (このIDを非表示/違反報告)
幸子 - 今日初めて読んでついつい一気読みしちゃいました…刀剣乱舞についてあまり知らないのですが楽しめました(о´∀`о)Wi-Fiとの闘い頑張ってください!! (2018年6月24日 1時) (レス) id: f5f75bb811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニャンコソバ x他2人 | 作成日時：2018年6月2日 23時
