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『2012年は私にとって大きな年だったの
小さい時に両親を亡くしてからおばあちゃんが一人で私を育ててくれてね
おばあちゃんの喜ぶ顔が見たくて始めたダンスがいつのまにか全てになってたの
大学もダンスとかステージのことを学べる専門の学校に特待生で入学して、毎日踊れることが本当に楽しかった
芸能プロダクションの人も観に来る一番大きなコンテストで踊る曲のセンターに選ばれたの
嬉しかったなぁ
でも、コンテストの前におばあちゃんの心臓の病気が急に悪化してそのまま亡くなって
それでもコンテストは最後までやり切ろうと思ってたのに、階段から落ちてコンテストには結局出れなかった
復帰して学校に戻った時にはもう私の居場所なんてなくて、学校も辞めちゃった
死にたくなって、19歳の誕生日の次の日に橋から飛び降りたの
その時助けてくれた人のおかげでなんとか今までやってこれたけど、飛び降りたことも、辞めたことも後悔してる
高いところが怖くなったし、なんであの時諦めちゃったんだろうって
だからもしこの時代の私に会ったら・・・』
そう言ってAは視線を俺の皿の方に落とした
『翔太、苺そうやって後に取っておくのやめた方がいいよ』
「えっ」
急に話が変わったことに驚きが隠せなかった
『こうやって私に食べられちゃうから』
そう言いながら俺の皿に残してあった苺をヒョイっと取って食べられた
「あっ!
ねえ、真面目に聞いてたんだけど?」
『この先は今の翔太には教えてあげない』
ああ、そうだ
この人は、Aは出会った時から予測不可能で
今の俺じゃ敵わないんだ
そう思いながらAのスマホに映ってた未来の俺の顔を思い出してた
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あさ - お話読ませていただきました!すごく切なくて暖かい、、とても惹かれました(T_T)これからも応援しています!お体に気をつけてください! (2020年12月24日 17時) (レス) id: 08f6e5c23f (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃいいですねー(T_T)応援してます! (2020年11月13日 22時) (レス) id: f2f31fca64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かもネギ | 作成日時:2020年10月10日 2時