29 ページ29
駅までふっかと歩いていると甘い香りがした
「あっ」
俺が急に立ち止まるからふっかは俺にぶつかって
深「ちょ、急に止まんなよ」
と痛くもないであろう肩を大袈裟に撫でてる
「いや、金木犀がさ」
深「え、なべって花とか木とかに興味ないじゃん」
「俺じゃなくて、Aが好きなんだよ」
深「え！じゃあ俺金木犀の香水つけるわ！
あーでも今日の夜雨らしいから花散っちゃうね
ってか、充電器返してもらうの忘れてた」
「あ、明日でいい？
戻ってたら間に合わない」
深「いや、俺だけ戻ればいい話だろ」
「誰がAと二人っきりにさせるか
あとで充電器買ってくから今日はそれ使って」
深「いやいいって(笑)
実は二つあるし」
「おけ、じゃあ一生返さないわ」
深「それは話が違う」
・
学校が終わってすぐに仕事
の前にふっかの充電器を買いに駅の商業施設に向かった
雑貨や携帯用品、アクセサリーや洋服、靴と色んな店が入ってていつも時間潰しにきてる
充電器を買って店を出ると隣の店のマネキンが目に入った
白地にオレンジの小さい花柄のワンピースで、ウエストに細めのベルトがついてる
Aに似合いそうだな
思えば俺の服ばっかで外に出たくても恥ずかしくて出れないのかも
俺は気がつくと店に入ってマネキンの着てた服と部屋着用にキャラクターが大きくプリントされたTシャツを買ってた
「彼女さんへのプレゼントですか？」
なんて店員に言われて
何してんだ自分
と急に恥ずかしくなってきた
「いや、まあ、、」
と濁して服を受け取ると足早に店を出た
まじで俺何してんだ
火照る顔を周りに見られないよう俯きながら仕事場に向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 256人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさ - お話読ませていただきました！すごく切なくて暖かい、、とても惹かれました(T_T)これからも応援しています！お体に気をつけてください！ (2020年12月24日 17時) (
レス) id: 08f6e5c23f (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃいいですねー(T_T)応援してます！ (2020年11月13日 22時) (レス) id: f2f31fca64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かもネギ | 作成日時：2020年10月10日 2時
