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彼女は金木犀の木を見上げるように深呼吸していた


「あ、金木犀か。」


彼女は驚いたようにこちらに振り向いた

やばい、声に出てた?




「すみません、何してるのかなって思って、、、」



ストーカーや痴漢に間違われないように追い越そうとしてたのに声をかけてしまうという失態


俺はアホなのかもしれない



『金木犀の香りが好きでつい立ち止まっちゃいました』


そういいながら彼女は優しく微笑んだ


笑った顔も綺麗なのか。


「こんなとこに金木犀なんて咲いてたんですね。俺全然気づかなかったです」


『そんなことあります!?金木犀って結構強い香りしません?』


彼女は驚いたみたいだったけど、俺は別に道の端に咲く花に興味がない



「言われれば強めの甘い匂いだなとは思いますけど、いつも通り過ぎちゃってました」





『この先にも金木犀の木が生えてるんですよ!

たまには立ち止まってみることをお勧めします』


彼女はまた優しく笑ってそう言ってくれた




”金木犀みたいな人だな”


小さなオレンジの花なのに存在感があって、甘ったるいけど、ずっと近くにいたくなるような
 


少し年上にみえる彼女は、綺麗な中に幼さも残ってて、笑うと心がじんわりあったかくなるような人



 


「詳しいんですね、家この辺なんですか?」



会話の流れでふと失礼な質問をしてしまった



彼女は返答に困っていて、そりゃそうだよな、と反省する




ポツッ




その時俺の頬に冷たい雫が降ってきた


『雨だ』



ポツリ、ポツリと振り出した雨は急に強く降り出した





「やばい!とりあえず走りましょう!」



彼女を置いて行くわけにも行かず、彼女の腕を引いて走り出した




幸い俺の住んでるアパートが話していた場所からすぐだったので、とりあえず屋根のあるエントランスに入った




俺も彼女も少し濡れてしまった



「連れてきちゃってすみません!俺んちここなんで、タオルと傘持ってきます!返さないで大丈夫なんで!」




そう言ってエレベーターに乗り込もうとすると、彼女に腕を掴まれた



『絶対に驚くし拒否されるのは分かっているんですけど、









帰るところがないから泊めてくれない?』

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設定タグ:snowman , 渡辺翔太 , 深澤辰哉   
作品ジャンル:恋愛
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あさ - お話読ませていただきました!すごく切なくて暖かい、、とても惹かれました(T_T)これからも応援しています!お体に気をつけてください! (2020年12月24日 17時) (レス) id: 08f6e5c23f (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃいいですねー(T_T)応援してます! (2020年11月13日 22時) (レス) id: f2f31fca64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かもネギ | 作成日時:2020年10月10日 2時

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