いいえ ページ8
然しある日のことです。里親に性的暴行を加えられた彼女はとうとう我慢できずに家を飛び出しました。行く宛てもなく彷徨っていると、クラスメイト────生き別れた双子の兄と遭遇し、事情を全て話しました。
双子の兄はそこで全てを知ります。彼女の家の事情も、自分の家郷の事も。
少女は兄に懇願しました。
────｢どうか、私の家族と、私を殺すのを手伝ってください｣
────こんなに穢れた身体にされて、高校卒業後もやっていけるわけがない。もう耐えられない。お願いします。
生きることが苦痛で顔を顰めている少女を見た兄は、それをすんなり承諾しました。
それが彼女に対する、自分の｢優しさ｣であると信じて疑わずに。
数日後。彼は少女に預かった鍵を使い、彼女の家へ侵入。そしてそこで彼女の里親を殺害。
惨状を目の当たりにした彼女の第一声は、
｢素敵｣
まるで夢のよう、こんなに簡単に死んじゃうんだ、ありがとう、ほんとに死んだのよね、すごいわ────
言い出したらきりがないほど、彼女は、歓喜に包まれた声色で跳ねた。
｢最後は私だね｣
先程まで飛び跳ねていた彼女は、その時に至ってやけに冷静だった。
｢怖くないの?｣
｢怖くないわ｣
｢あの世でもあの2人と一緒かもよ?｣
｢そんな宗教的なことは考えないから｣
淡々と答える彼女を見た少年は、分かった、とただ一言返し、少女に致死量の睡眠薬を渡しました。
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紅妃(プロフ) - 夕凪さん» そうですね。人それぞれの価値観もありますし定義が存在しないものなので答えそのものがないようにも感じます。 (2017年3月1日 8時) (
レス) id: b052584592 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - 「家族」「優しさ」「命」「愛」って本当に難しいですよね (2017年3月1日 6時) (レス) id: c0628b1f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅妃 | 作成日時：2017年2月17日 11時
