〜5〜 ページ6
通信が切れる。大きめのガラス玉に写っていた少女は、それと同時に消えてしまった。
｢…｣
煌帝国第3皇子 練紅覇。年齢に比例しない低身長が特徴的な美青年。一人の少女に嘘を吐いてしまった罪悪感に塗れつつ、ルフの瞳を、通信中から目の前に居た人物へと返す。
｢どう思う｣
目の前の人物──練紅炎はガラス玉を受け取ると直ぐ様紅覇に疑問を投げかけた。然し美青年は突然投げかけられた質問の意味を理解できず、小首を傾げる。
｢どうって｣
｢Aのことだ。あいつはどこか…何かを隠している気がする｣
｢炎兄に?｣
今度は紅覇が疑問を問う。紅炎は一呼吸間を置いてから、再度口を開いた。
｢違う。俺だけでなく…紅覇や紅明、紅玉…関わるもの全てにだ。あいつが、俺の求める何かを確実に握っていると｣
｢…?｣
正直、説明されてもよく分からない。
紅覇は 自分には皆目見当もつかない、と胸の内で呟く。それは単に、彼女──Aに興味が無いと言う訳ではない。Aの素直さを知っていると思っての自論だった。
紅覇にとって、Aは素直でなんでもよく喋る一人の少女であり、ただ1人の彼女だと捉えていた。嘘は自分から明かし、困ったことがあれば相談し、過去の出来事も一切嘘偽りなく話してくれた。彼女の語る“目”が、いつもそれを証明しているのだ。
｢先刻の彼女の様子は、いつもと変わりませんでしたか。紅覇｣
練紅明。煌帝国第2皇子･戦略担当をしている。政治家とは思えぬ肌荒れと荒れた髪が、一部の国民に妙な親近感を与えている。
紅明の問いに対し小さく唸りながら首を捻ると、紅覇は｢ん…｣とだけ呟いては再び考え込み始めた。
さっき、少しだけ様子がおかしかった、と。見逃しはしなかった。いつも真っ直ぐに見える“目”すら見せてくれなかった。前はそんなことなかったのに。
｢…目、見せてくれなかった｣
｢目?｣
｢うん｣
その旨を話すと、紅明は｢なるほど｣と頷く。
紅炎と紅明は、何かを考え込んでか暫く黙り込んでしまった。
｢…ねえ炎兄、明兄｣
｢なんだ、紅覇｣
実は紅覇は以前から不信感を抱いていた。この兄2人に。言うべきか言わぬべきか、それはこの場にいる誰にも分からない。言って、聞いてみなければわからない。
｢…あのさ、…。…どうして、Aをスパイに行かせたの?｣
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紅妃(プロフ) - 睦月サイハさん» コメント有難う御座います！ここのところ更新してなくて本当に申し訳ありません。わたくしめには勿体ないお言葉を頂けて、本当に嬉しい限りです。そろそろ話が進むので、気長に待っていただければ幸いです！ (2017年10月12日 0時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
睦月サイハ - あの、更新頑張ってください！とても面白いし、続きが気になります！ゆっくりで良いので頑張ってください！応援しています！ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 78af19d42e (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆみさん» 最新話の感想コメント有難う御座います！やっと今まで書きたいところを書けたので、読者様にもそう言っていただけてとても嬉しい限りです！みんなが無事でいられることを私も祈ります… (2017年7月8日 16時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - シェルの正体は何者でしょうか 続き気になります 何かたくらんでいるのはあきらか みんな気をつけて (2017年7月8日 13時) (携帯から) (レス) id: a64fcc18a2 (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆきさん» 感想コメ有難う御座います!そう言っていただけるなんて光栄です、頑張ります!!；；；； (2017年5月25日 8時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅妃 | 作成日時：2016年12月6日 1時
