〜19〜 ページ22
その日は快晴だった。
太陽が眩く地を照らし、影を一層濃く作りだす。帽子を被れば汗が滴り、蒸れた髪をくしゃくしゃに掻き毟った。
蒸し暑い渡り廊下を歩けば、生温い風が制服と髪を攫っていく。なんとなく風が吹いた方向へ目をやるが、とくに何がある訳でもなかった。
｢Aさん、どうかしましたか？｣
｢ううん、なんでもない。早く行こう！｣
朝食を終えたAたちは、魔法道具による放送に促されるまま、闘技場へと向かって行く。この後すぐに主席であるティトスとアラジンが互いの力をぶつけ合い、殺し合いをする。一見楽しそうに振舞っているが、結果を知っているため、Aはあまり乗り気ではなかった。
闘技場の扉を潜ると、外の気温とは一変。丁度好い涼しさに安堵の溜め息を吐いた。
｢涼しい〜！クーラーだ〜！｣
｢そうで…、…？くーらー…？｣
アリアは聞きなれない単語に首を傾げた。Aは｢私の故郷にはそういうものがあったの｣とだけ説明すると、理解したようにアリアは頷いた。
場内はドーム状になっており、真ん中に広々とした空間。その周りを囲むように大量の椅子がずらりと並んでいた。
Aとアリアは自らの生徒番号を復唱しながら座席を探し当てる。
｢ここか！｣
｢みたいですね｣
すとんと腰を下ろすと、続いてアリアも隣に座った。二人は開始時間の暇を潰すために会話を盛り上げた。
*
｢停止の合図がかかるまで…結界の中から出ることはできない。両者全力を尽くしなさい。良いですね!?｣
審判者であるイレーヌ先生の声が闘技場に響く。心臓がどくんと跳ね、自身が戦う訳でもないのに体に力が入ってしまう。袖を力強く握り締めると、当たり前のように皺が浮き彫りになる。
ごくりと唾を飲みこむと同時に、イレーヌ先生の口が再び開いて────
｢はじめっ!!｣
合図が切られた。
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紅妃(プロフ) - 睦月サイハさん» コメント有難う御座います！ここのところ更新してなくて本当に申し訳ありません。わたくしめには勿体ないお言葉を頂けて、本当に嬉しい限りです。そろそろ話が進むので、気長に待っていただければ幸いです！ (2017年10月12日 0時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
睦月サイハ - あの、更新頑張ってください！とても面白いし、続きが気になります！ゆっくりで良いので頑張ってください！応援しています！ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 78af19d42e (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆみさん» 最新話の感想コメント有難う御座います！やっと今まで書きたいところを書けたので、読者様にもそう言っていただけてとても嬉しい限りです！みんなが無事でいられることを私も祈ります… (2017年7月8日 16時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - シェルの正体は何者でしょうか 続き気になります 何かたくらんでいるのはあきらか みんな気をつけて (2017年7月8日 13時) (携帯から) (レス) id: a64fcc18a2 (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆきさん» 感想コメ有難う御座います!そう言っていただけるなんて光栄です、頑張ります!!；；；； (2017年5月25日 8時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅妃 | 作成日時：2016年12月6日 1時
