〜12〜 ページ15
｢待ってよアリア!｣
駆け足で追いかけ、中庭に沿って造られた長く大きな廊下の風を切って行く。授業でみっちりと体を作ったおかげか、今までの自分じゃきっと出せていなかったであろうスピードに内心驚いている。
そんなことを考えていると、追いかけられていた少女は突然足を止めたかと思えば、刹那振り返る。視界に入ったその幼い顔は真っ赤なリンゴを想像するほどに火照っていた。
｢Aさん…私どうしましょう!｣
｢へ?｣
追いついた途端、アリアは私の服の裾を強く掴んで涙目で何かを訴えた。
｢な、何が?｣
｢……私…、私……
スフィントスさんのこと、好きかも知れません……!!｣
｢えっ?｣
思わず内心で呟いた筈の言葉が声に出た。
今 アリアがスフィントスが好きって言ったように聞こえたような気がした。
今一度頭の中で状況整理をする。
突然普段と雰囲気が変わったアリア。食堂を駆けて行ってしまったアリア。紅潮するアリアの頬。ついさっき聞こえた幻聴のようなもの。これら全てを引っ括めて考えると、どうやら私の結論は間違いではなさそうだった。
｢嘘!?｣
｢こ、声が大きいですよ!｣
慌てたアリアは｢しー!｣と自らの唇に人差し指を当てた。
｢あ、ご、ごめん。つい…びっくりして｣
こんなことになるとは全く想像もしていなかった。いつからそんな想いを彼に寄せていたのだろう。
｢い、いつから……｣
｢……合同成果発表会の準備の時から、でしょうか。私にもよくわかりません。でも、好きになってたのに気付いたのはその時からだったので……｣
紅潮した顔で手弄りをしながらぼそぼそと話すその姿は、まさに“乙女”としか言いようがない。普段の冷静沈着なアリアが、いつもより可愛く見えた。
(なんか……なんかこれって……)
すっごく、女の子の会話してる──!!
Aは元来“恋バナ”というものをした事がなかったため、あまりにも浮き足立って仕方がなかった。
その後もアリアの恋愛事情聴取を行おうとしたが、朝食のこともあるため、続きは放課後に行うこととなった。
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紅妃(プロフ) - 睦月サイハさん» コメント有難う御座います！ここのところ更新してなくて本当に申し訳ありません。わたくしめには勿体ないお言葉を頂けて、本当に嬉しい限りです。そろそろ話が進むので、気長に待っていただければ幸いです！ (2017年10月12日 0時) (
レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
睦月サイハ - あの、更新頑張ってください！とても面白いし、続きが気になります！ゆっくりで良いので頑張ってください！応援しています！ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 78af19d42e (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆみさん» 最新話の感想コメント有難う御座います！やっと今まで書きたいところを書けたので、読者様にもそう言っていただけてとても嬉しい限りです！みんなが無事でいられることを私も祈ります… (2017年7月8日 16時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - シェルの正体は何者でしょうか 続き気になります 何かたくらんでいるのはあきらか みんな気をつけて (2017年7月8日 13時) (携帯から) (レス) id: a64fcc18a2 (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - ゆきさん» 感想コメ有難う御座います!そう言っていただけるなんて光栄です、頑張ります!!；；；； (2017年5月25日 8時) (レス) id: d4608e4b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅妃 | 作成日時：2016年12月6日 1時
