〜シエラルド･ムスタシム〜 ページ44
自分の体温で熱くなったドアノブを、ぐるりと回し、ドアを勢いよく開ける。
「紅―――」
紅覇！、そう言いたかった。
だが、言えなかったのだ。
目の前の光景に驚いたからではない。
左頬に地味な痛さが静かに広がる。
私の後ろにある廊下の壁では、「か！」と小さく音を立てた。
きっと何かが突き刺さったのであろう。
尋常じゃない量の汗がでてくる。
足は竦み(すくみ)、体は震えている。声に成らない小さな悲鳴を一人で上げた。
目の前には、わたしより背は高く、透き通るような白い肌、足元まで延びた少しパーマがかった
銀の髪、スカートの裾から伸びる長い足。
可愛らしい面持ちの中の目は、こちらを鋭く睨みつけて、左手を此方へ向けて立っている。
「A!!?」
紅覇は慌ててこちらに来る。
紅覇に名前を呼ばれて漸く固まっていた筋肉が力を抜かせて崩れる。
「あら？紅覇様、御知り合いだったのですか?」
銀色の髪の少女は紅覇に問いかけた。
「うん、僕の従者。」
大丈夫?と声をかけてAの手を紅覇はとる。
「まあ、そうでしたの!御免なさいね、てっきり不届き者かと･･･、」
最後に「･･･気配からして･･････」と小声で顔を背けて言ったのが聞こえた。
私そんな嫌なオーラ出してないんだけど･･･。
「あ、A。紹介するね。この子はシエラルド･ムスタシム。みんなからはシェルって呼ばれてんの。元々僕の従者でね。まあでも色々あってシンドリアのほうに行ってたんだ。」
「はあ･･･。」
Aはだらしない返事を返す。
紅覇はシェルのほうに戻り、
「で、シェル。お前にも紹介するよ。あの子は僕の従者で、佐々木Aって言うの。Aも、まあ色々あって今度マグノシュタットのほうに行くことになってる。」
･･････「も」？ってことはあの人も･･･私と同じで何かやらかしたのかな?
って言うか、ムスタシム―――って･･･。
「―――――マグノシュタット･･････?」
シェルの目つきは更に鋭くなる。
かと思いきや、
「A殿!改めまして、わたくしはシエラルド･ムスタシムです。どうぞ宜しく！」
可愛らしい笑顔になった。
表情がコロコロ変わるこの人はいったい―――？
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紅妃(プロフ) - メロディーさん» コメント有り難う御座います!元ネタ知ってる方がいらっしゃったとは…!これからも精進します! (2017年1月29日 21時) (
レス) id: 801b9c3ad4 (このIDを非表示/違反報告)
メロディー - チルノのパーフェクト算数教室みたいで面白いですね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2017年1月29日 21時) (レス) id: b58b8e3224 (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - 読者の皆様へ:とうとう西暦2015年と年が明けましたね。｢明けまして｣の方も、そうでない方も、今年もどうぞ私目のこの作品たちを宜しく御願い致します!! (2015年1月1日 20時) (携帯から) (レス) id: f306100cbd (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - 読者の皆様へ:いつも語愛読有難う御座います！最近、お気に入り十人超えをし、心からとても嬉しく思っております。次の更新は年明けになります。来年も宜しく御願い致します。 (2014年12月28日 23時) (携帯から) (レス) id: f306100cbd (このIDを非表示/違反報告)
紅妃(プロフ) - みき（元るう）さん» 有り難う御座います! (2014年12月18日 16時) (レス) id: 3395f9a301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅妃 | 作成日時：2014年7月15日 18時
