番外編：バレンタイン編 ページ26
【izw-孤独誘導型-】
「…Aちゃんっ」
「わっ…！」
俺の方をチラチラ見ながら、暗い顔をしていた彼女。
それが気になって思わず声をかけると、彼女は驚いたように声を上げ、
手に持っていたモノを慌てて背中の後ろに隠した。
…あ〜なるほど…
「今、何隠したの？」
そう優しく声をかけると、
彼女はバレてないと思ったのか肩を震わせ、渋々口を開いた。
「…ば、バレンタインだから…伊沢くんに、チョコ…」
色々あって自分に自信が持てなくなった彼女は、
視線を泳がせながら、綺麗にラッピングされたチョコレートを俺の前へ持ってきた。
そう、今日はバレンタイン。
「まさか俺のために作ってくれたの？ありがとう…！めっちゃ嬉しい！」
それを聞いた彼女は一瞬微笑むも、次第に顔が暗くなる。
「今年はみんな離れていっちゃったから…伊沢くんしか渡せる人がいなくて。
…ご、ごめん！重たい空気にするつもりは全然…！」
強がりながらも、涙ぐむ彼女の頭をそっと撫でた。
「大丈夫だよ、」
こんなに優しくしてくれるの伊沢くんしかいないよ、という彼女。
俺が犯人だってバレるのはまだまだ先になりそうだなあ…
【fkr-妄想型-】
「福良さーん！ハッピーバレンタイン！！」
チョコレートです！とソファで寛いでいた福良さんの前の机にチョコを置く。
「え！？…あぁ、そっか今日は14日だもんね…！」
バレンタインだと気付いてなかったのか…全く。
「昨日徹夜してまで、みんなの分作ったんですよー！美味しく食べて頂かないと困ります！」
いつも感謝しているメンバーの人達への想いを込めた自信作。
口に合うだろうか、そんなことを考えていると、福良さんはとんでもない言葉を吐いた。
「わー！すごい！…で、勿論俺のが本命でしょ？」
突然のことに思わず開いた口が塞がらない。
…でた、福良さんの妄想癖。
「…えーと…あのすみません、みんな義理というか…」
「え？でもそれ可笑しくない？だって俺達付き合ってるんだし。」
何言ってんのとばかりに首を傾げる福良さんに、私は慌てて声を上げた。
「いやいやいや、私達付き合ってませんよね…？OKした覚えもないんですけど…！」
そんな私も横目に、福良さんは一足先にチョコを頬張る。
まったく都合のいい男である。
福良さんの妄想癖は何があっても治らないらしい。
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はずき - すごく面白い作品ですぐ読み切っちゃいました！これで完結なのですか？ (2021年9月3日 19時) (
レス) id: 68c918356f (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - めっちゃ好きです…もう更新はしないのでしょうか？ (2021年8月29日 11時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
なな - ドストライクな作品で大好きです (2020年9月11日 2時) (レス) id: 088ecaff97 (このIDを非表示/違反報告)
星ぶどう(プロフ) - ヤンデレ好きなので、読んでて楽しいです！これからも応援してます。更新頑張って下さい！ (2020年3月30日 19時) (レス) id: 6721536779 (このIDを非表示/違反報告)
清華(プロフ) - 続きが楽しみです!! (2020年3月25日 4時) (レス) id: 1c085b2c66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれを | 作成日時：2018年12月8日 22時
