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山本side
Aさんに突然手を握られ、顔が赤くなるのが分かった。
「えっと…」
「本当に助かるよ〜、ありがとう!」
僕はAさんが好きだ。
それはもうどうしようもないくらい。
ずっとそばにいて欲しい、離れないで欲しい。
死ぬまでずっと。
Aさんがいなくなったら、きっと僕は生きる意味をなくすに違いない。
こんな感情変だろうか。
「あ、ごめん。舞い上がっちゃって。」
顔の赤い僕なんか気にも留めないで、手と手が離れた。
一気にさっきまでの暖かさは消えて室内の冷たい空気が手に触れる。
手には愛しさも高揚感も無くなって虚しさだけが残った。
ずっとあのままでいたかったのに…
すると突然通知音が響いた。
Aさんの携帯からだ。
Aさんは携帯をおもむろに取り出し、通知を確認すると立ち上がり、
「ごめん山本くん!福良さんが急用で今すぐ来て欲しいって…話せて楽しかった、ありがとうね。」
そう言うと荷物をまとめ始めた。
「え…」
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
どこにいくのねえ二人で待ってようって言ったじゃんなんでなんで
いかないで離れないでいなくならないでずっと傍にいてどうしてずっと僕の隣に居てくれないの??????なんで他の人のところに行くの???????
動揺で気が狂う。
「じゃあね山本くん。」
そう言って手を振る彼女の手を僕は強引に掴んだ。
「えっと…?」
「…おい…か…ないで…」
目から涙が零れ落ちた。
「置いてかないで…なんでいつも何処かに行っちゃうんですか…いやだ…僕、貴方がいなくちゃ…ッ」
「山本くん、落ち着いて…?」
僕の涙を拭き取る彼女の目にどうしたら僕しか見ないようになるんだろう
急いでるはずの彼女の携帯がまた鳴ったのが分かる。
でも彼女は僕を心配してか、それに反応しようとしない。
あぁやっぱり君がいないと生きていけない。
-END-
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はずき - すごく面白い作品ですぐ読み切っちゃいました!これで完結なのですか? (2021年9月3日 19時) (レス) id: 68c918356f (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - めっちゃ好きです…もう更新はしないのでしょうか? (2021年8月29日 11時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
なな - ドストライクな作品で大好きです (2020年9月11日 2時) (レス) id: 088ecaff97 (このIDを非表示/違反報告)
星ぶどう(プロフ) - ヤンデレ好きなので、読んでて楽しいです!これからも応援してます。更新頑張って下さい! (2020年3月30日 19時) (レス) id: 6721536779 (このIDを非表示/違反報告)
清華(プロフ) - 続きが楽しみです!! (2020年3月25日 4時) (レス) id: 1c085b2c66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おれを | 作成日時:2018年12月8日 22時