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東大に入学して何日か経った。




自分の私生活にはあまり影響は見られない。




初日にぶつかってしまった水上颯とも、




道を案内してくださった伊沢さんとも、




関わることはなかった。




あったといえば、




帰るときに水上颯を見かけたことくらい。




こんな退屈な日常に刺激が欲しいとまではいかないが、




何か起こっても良いんじゃないか。




そんなことを思いながら、私は図書館に向かった。




本は好き、特に理由はないけど。




偶然目に入った科学の本、




興味があったので手にしようと




手を伸ばすと誰かの手と重なった。



「あっ…」



「水上、颯…。」






目の前の水上颯は急に自分の名前を言い当てられ、



驚いたのか目を丸くした。



「…君って、たしか初日にぶつかった子…」



びっくりした、



まさか覚えていたなんて思わなかったから。



「覚えてたんですね。」




「一応、本当に君だったのかの確信はなかったけど。」




流石というべきなのだろう。




数日前にぶつかった人の顔なんて普通は覚えていない。



「それと…ちょっと気になってたんだよね、君のこと。」




「…そうなんですね。」



その先は聞かないようにした。




きっと聞いたらもうこの関係には戻れない気がしたから。




「名前、なんて言うの?」




「A Aです。よろしくね、水上くん。」



「…Aか、よろしく」



軽く挨拶を済ませる。



これ以上の会話は必要ない。



そうなにかを悟った。



「私達、これで今日から“顔見知り”だね?」



これは“これ以上の関係にはならない”という合図。



案の定、水上颯は顔をしかめた。



そんなことなど御構い無しに、私は取った本を棚に戻し図書館を出た。

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おれを@コメ専用(プロフ) - れもん味さん» ありがとうございます^^とても励みになります!グダグダな話にはなりますが、これからも応援よろしくお願いします!^^ (2018年11月22日 0時) (レス) id: 1ca3bc7ae9 (このIDを非表示/違反報告)
れもん味 - すっごい面白いです!主人公のミステリアスな感じが好きです!更新頑張ってください! (2018年11月19日 17時) (レス) id: 2102dbe1ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おれを | 作成日時:2018年11月13日 22時

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