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「…ついた。」
15分歩くということは長いようでそうでもない…と私は思う。
意識的に目的地に向かっていた足はその場に足を止めた。
視界には赤門がデカデカと映し出されていた。
その赤門は私の中の実感というものを強く引き出してくれる。
「東大に受かったんだなぁ…私…」
そこは紛れもなく日本の誇る東京大学である。
そう、私は猛勉強の末東大に合格したのだ。
普段、一人の時にはあまり感情を表に出さない私だが、
今は多分、いつもよりも口角が上がっている…と思う。
周りには次々と大学に入っていく新入生の姿が見えた。
活き活きとした顔の人、無表情な人、参考書を見ながら進む人______
沢山の表情や感情が浮かび上がってる。
その人混みに紛れて私は赤門を潜った。
中に入った瞬間、新入生を迎える在校生の人達の声が広がった。
_____サッカーが好きな人〜是非このサークルに入りませんか〜！
_____全国の食べ物について研究してます！興味のある方は…
_____日本の文化について深く追求しませんか〜！！
予想よりも大きな声に少し怖気付いた。
今日は大きな声に圧倒されてばかりだ。
ずっと夢だった東大、
夢に見ていた風景が今、目の前に広がっているというのは
どうしても落ち着かないものである。
“いつもの私らしくない”という感覚に、
少し気持ち悪さを感じるのは何故だろう。
そんな浮ついた心で前や横を気にせずふらふらと歩いていたら
ドンっ____と急に誰かにぶつかった様な衝撃が体を襲った。
「あっ、すみません…」
反射的に謝罪の言葉を口に出し、
そのままぶつかった人を確認しようと
下を向いていた顔を起こすと、
そのいかにも気怠そうな感じの男に私は唖然とした。
「あ…こちらこそ、すみません」
その男はそう言うと、私なんか御構い無しにまたそそくさと歩き始める。
そのとき偶然にも見えてしまった彼の私物に書いてあった名前。
“水上 颯”_________
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おれを@コメ専用(プロフ) - れもん味さん» ありがとうございます^^とても励みになります！グダグダな話にはなりますが、これからも応援よろしくお願いします！^^ (2018年11月22日 0時) (
レス) id: 1ca3bc7ae9 (このIDを非表示/違反報告)
れもん味 - すっごい面白いです！主人公のミステリアスな感じが好きです！更新頑張ってください！ (2018年11月19日 17時) (レス) id: 2102dbe1ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれを | 作成日時：2018年11月13日 22時
