4.一目惚れ ページ4
金髪の美青年side
無事に大学に入れて安心していた頃、炭治郎が入学祝いだ!と珍しく先導して俺達を誘ってくれた。
確かに受験シーズンから模試が増えて休めなかったし、純粋にその誘いは嬉しかった。
どうやら近くにカフェがあるらしく、取り敢えずそこへ行こうということになった。
伊之助も連れて3人で行ってみれば、思ったよりもお洒落!というカフェで、店内にはリア充も多かったから、男3人で入るには若干気が引けた。
そんな動揺する俺の匂いに気づいているだろうに、「行ってみよう!」と恐れを知らない炭治郎が入口の扉を開ける。
それと同時にチリン、と音を鳴らす鈴の音を聞きつけてか、1人の店員さんがこちらにやってくる。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「……っ?!」
一目惚れだった。
綺麗な顔でニコリとほほ笑む店員さんから一瞬目が離せなくなった。
炭治郎が受け答えをして、席に案内されるまでの間、彼女の音にこっそり耳を澄ました。
綺麗で、透き通った音。
炭治郎とはまた別のすごく優しい音。
自分が惚れっぽいことは分かっているが、彼女だけはいつもと違う。
そう確信できるのは、自分の鼓動の速さが物語っていた。
そうなれば必然的に彼女が付けている名札に目が行く。
A、さん……。
その名前をしっかり胸に刻み付けて、もう一度だけ、とAさんの方を見る。
「!」
「っ?!」
バチッと音が聞こえそうな程、確実に目が合う。
……が、すぐに逸らされる。
うわやらかした。見てたこと絶対引かれた。
さっきも少しだけ動揺の音が聞こえたし。
「どうしたんだ善逸。さっきからすごく甘い匂いがするが」
「そうだぞ紋逸!すげーほわほわしてるぞ!!」
……こいつらには本当に隠し事ができない。
まぁ俺も俺だけど……。
「……俺、好きな人出来た」
「「?!」」
素直に(ちょっと小声で)そういうと、2人して目を見開き驚きの顔を見せる。
「でもたった今やらかしたんだよぉぉぉ聞いてくれよぉぉ!!」
小声は続けつつも、炭治郎達に事の経緯を話すことにした。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:tokumei | 作成日時:2023年8月21日 13時