Scramble Road－２－ (ページ28)

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帰り道ページ28

Aは、空を見上げつつ、話し出す。

A「ほら、こうやってシルク、心配しちゃうでしょ？『顔には出してませんよ』ってそぶりはしてんだけど、気になっちゃうだろうし。シルクだけじゃないよ。モトキ君も。あゆみもそうだろうし。しょうことンダホ君なんて、見た目に心配顔してきそうだし。それ、あたしにとって、心苦しいんだよね。迷惑かけてるって思っちゃって。・・・いつものみんなでいてほしかったし。」

そうやって苦笑いを浮かべるAをみて、モトキがふっと笑った。

モトキ「・・・体育祭のときみたいだ・・・」

その声に、シルクとAはモトキを振り返った。

(A「確か、モトキ君、体育祭の時の私を見て、好きになったっていってたな」)

シルク「・・・なんか、似てるな。あの時のAに。泣いてないだけで、無理に笑ってる・・・。」

そのシルクの言葉に、Aは吹き出した。

A「そう？あの時はシルクが柄にもないこと言って笑わしてきたじゃん。今回は、二人の過保護に苦笑いしてんのよ。全然違うって」

Aの言葉に、シルクとモトキは顔を見合わせる。

そんな二人を見ながら、Aは話し出す。

A「今日、学校行って、『大丈夫』って思えた。・・まだ、体は大丈夫じゃないけど、みんながいてくれるっていう、お守りをもらった感じがした。だから、大丈夫。」

その言葉に、シルクは安堵し、モトキは改めて自分の気持ちに気付いた。

(モトキ「やっぱ、オレ、Aのこと好きだ。Aのこと、守っていきたいな」)

3人は、Aの歩く速度に合わせて、帰っていった。