すれ違い ページ15
シルクは、学校に残っているメンバーに事情を話すと、Aの家に向かうことした。
モトキ「オレも一緒に言っていい？」
モトキがそう聞いてきたが、あゆみが止めた。
あゆみ「さっきのこと考えると、たぶん、モトキ君も避けられるよ。だから、ここはシルク君に任せた方がいいんじゃない？」
シルクは、無我夢中で走っていた。
Aの家の前まで来ると、１回マサイに電話をした。
シルク「マサイ、今、Aの家の前についた。」
マサイ「・・・『シルクがこっちに来る』って言ったら、Aちゃん、『シルクに会えない』って・・・。」
シルクはそんな予感がしていた。
シルク「・・・マサイ、悪いけど、公園にA連れてこれないかな？そこで、話すわ。」
シルクは電話を切ると、近くの公園のベンチで待つことにした。
(シルク「さっきも避けられたしな。多分、オレから距離を取ろうとしてるんだろうけどさ。A自身がオレと話しようと思わないと、なんも先に進まねえ」)
そんなことを思って待っていると、包帯・絆創膏姿のAが、ザカオに支えられながら、向かってきた。
Aに席を譲ると、ザカオはマサイと一緒にどこかで待っているという。
シルク「思った以上に怪我、すげえな。大丈夫か？」
冷静に話し出したシルクに、Aはおちゃらけて答える。
A「ね、すごいでしょ？こんなに包帯まかれたの、初めてだよ。」
Aはシルクの方を見ようとしない。目線は空。
シルクが何を話そうか迷っていると、Aが切り出した。
A「シルク、ありがとね。心配してくれて。もう、シルクに迷惑かけることないと思うから。」
そういうと、Aはシルクの方を向いて、何か決心したような表情で言う。
A「・・・別れよ？」
その表情は、嘘をついている・・・シルクはそう感じていた。
シルク「・・・嘘ついて、別れるのか？オレはやだね。」
(A「あ、やっぱり、シルク、怒るか・・・そうだよね・・・」)
Aもわかっていたこと。シルクの方を向けないでいた。
A「しょうがないじゃん？こうでもしないと、私、学校行けなくなっちゃうから。」
空を見つつ、涙をこらえながら話すAの姿に、シルクは怒りを覚える。
シルク「だからって、ほかのヤツに遠慮することはねえじゃねえか。堂々と『オレの彼女』って言えばいいじゃねえか！」
A「その結果がこれなのよ！」
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作者名：danchan | 作成日時：2020年3月8日 16時
