Spilal Step －Ⅱー (ページ15)

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その日の夜、シルクが珍しく、モトキハウスに泊まりに来た。

モトキ「それなら、シルクハウスに俺が泊まるのに」

そういってみたが、シルクが「お前んちがいい」と駄々をこねたのだ。

コンビニで酒とおつまみを買い、モトキハウスにやってきたシルクを見て、モトキはシルクなりに何かあるのだろうと思っていた。

モトキハウスに入ると、セカンダリを撮影していたのか、機材が点々とあった。

それらを片付け、リビングに買ってきたものを出すと、無言で乾杯をする。

一口飲んだところで、シルクがようやく話し出した。

シルク「モトキ、今の気分はどうよ」

モトキは「そうだろうな」と考えつつも、シルクの質問に答える。「

モトキ「どうもなにも…。ちょっと寂しいかな。ずっと仲良かった奴が、友達と結婚するって、うれしいことなんだけど、これから声かけづらくなりそうだからね」

シルクに隠し事は無駄だと思ってはいるが、モトキは本心を吐露しにくい。苦笑いして話すだけ。

シルクはシルクで、モトキが本心を言わないのをわかっていた。だから、こうやってサシで話しに来たのだ。

シルク「モトキ、この部屋には俺しかいない。誰かに言っちまったほうが、頭の整理ができることもある。・・・な、思い切って全部言っちまえよ。すっきりするぞ」

酒を飲みつつ、シルクが話すと、モトキの手が止まり、モトキはシルクを凝視した。

モトキ「シルクのそんなとこ、ヤなんだよな・・・。人の気持ちに敏感なのか、そうじゃないのか。」

そう、独り言のようにつぶやくと、モトキはうつむいた。

やや、あって、モトキの小さい声が聞こえた。