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Aはマンションを出た後、プラプラと歩きながら、近くの公園までやってきた。
夕方も、夜に近い時間で、人影はまばら。
Aは目についたベンチに腰かけて、空を見上げた。
(A「マサイに告られちゃったな・・・。気づいてなかったわけじゃないんだけど、はっきり言われると、戸惑うな・・・。」)
目についたブランコに乗ると、「キィ」という音が響く。
漕ぐのをやめると、頭に浮かぶのは・・・マサイ。
A「あーっ!もうっ!」
声を上げ、ブランコから立ち上がるとモトキの「びっくりしたぁ」という声がした。
振り返ると、割と近くまで、モトキが来ていた。
A「え?いつからいたの?」
モトキ「ん?さっき。マサイから話聞いた」
Aは思わず脱力し、ブランコに腰かけた。
モトキ「・・・A、マサイに告られた気分は?」
半分、茶化すように話すモトキに、Aはイラっとする。
A「・・・マサイの気持ち、気づいてなかったわけじゃないんだけど、このタイミングで、いきなり言うか?って感じ。はっきり言って、戸惑ってる」
半分ふてくされながら、Aが話すと、モトキは、ちょっとだけ笑った。
モトキ「マサイの気持ち、知ってたんなら、そういえばいいじゃん。マサイ、相当気にしてたよ」
A「あのさぁ・・。知ってたわけじゃなくて、『なんとなくそうかな?』って思っただけだから。・・・モトキって、絶対女子に嫌われるタイプかも。」
そんな話をしながら、Aは自分の足元に視線を落とした。
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作者名:danchan | 作成日時:2020年10月2日 21時