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A「・・・ここまで話しといて思ったんだけど、私、すっげーわがままじゃない?なんか、思わせぶりの嫌なおんなじゃない?」
そういうとAは残りのビールを一気に飲んだ。
シルク「そうかもな。二人の男を手玉に取って、自分は付き合う気はないって言っちゃってるんだもん」
シルクは鼻で笑うと、こっそりAを盗み見た。・・・Aは何か考えているのかもしれない・・・そんな表情をしていた。
シルク「ま、オレ的には、どっちか傷ついてもいいから、選んでほしかったけど。メンバー的には、オレらのことまで考えてくれたんだろうなって思ってる。」
Aはシルクの言葉に思わず突っ伏した。
A「シルクー。そのことわかってくれてるだけで、救われるよ。ありがと」
泣きそうなのか、Aから少し甘えた声がした。
シルク「甘えた声をだしてんじゃねえ。柄にもねえし。オレじゃなくて、マサイかモトキかに甘えろよ。呼んでやるから。」
そう言ってシルクがスマホを取り出すと、Aはガバッと体を起こす。
A「やめてよ。どっちか呼んじゃったら、本当に甘えそうだし。シルクだから言えることもあるんだし。」
Aの慌てた様子にシルクは思わず声を上げて笑った。
シルク「わかってるって。こんな時じゃないと、お前、本心言わないからさ。」
シルクはまっすぐ向きなおすと、声のトーンを押さえてAに話した
シルク「お前が決めたことだから、口出しはしないけど、つらくなったら言えよ。」
シルクのやさしさに、Aはちょっとだけ涙声になる。
A「シルク、ありがとう」
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作者名:danchan | 作成日時:2020年10月2日 21時