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ンダホの声色が変わったのがわかったAは顔を上げ、ンダホをじっと見た。
A「ダホちゃんには嘘つけないもんな。はっきり言うと、モトキの事、好きだよ。け。ど、今のままの状態が居心地いいから、そのまんまがいいかなって思ってる。・・・ずっとこのままってわけにはいかないとは思うんだけど。」
ンダホはAのいつもと変わらない口調に作業をやめ、笑いかけた。
ンダホ「A、きめてるんじゃん。じゃ、オレが何か言ってもダメだね」
A「ダメってわけじゃないけど。ただ、『今は』ってこと。時間が経ったらどうなるかわかんないよ。自分自身も、迷子中だし」
そう言って、作業を続けていると、ンダホが近づいてきて小さい声で聞いてきた。
ンダホ「シルクに話した?」
Aは完全に作業をやめ、ンダホを見る。
A「話したよ。全部。マサイとモトキがおかしいって言ってたし」
ちょっと神妙にはなすAにンダホはちょっとため息。
ンダホ「Aさ、シルクが聞いてきたってことは、何かあるって思わなかった?」
Aはンダホの言葉に、ちょっと下を向く。
A「何かはあるって感じてたよ。だけどね、今、私自身が二人の事を考える資格がないんじゃないかって思って。なんだか、おこがましくって。だって、二人とも、『いい人』だし『いい男』じゃない?私が好きになって、付き合ったりしていいのかなって思っちゃってさ。」
だんだんしりすぼみになるAの話にンダホはちょっと笑みを浮かべた。
ンダホ「そういうこと?・・悩んでどうしようもない時は、絶対相談してね」
明るくはなすンダホにAは救われつつ、苦笑いを浮かべる
A「もう、シルクもダホちゃんも甘やかしすぎ。・・・でも、ありがとうね。何にもなくても、相談させてね」
そういうと、いつものンダホになって「よっしゃ」というと、みんなに「撮るよー」と声をかけた。
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作者名:danchan | 作成日時:2020年10月2日 21時