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第１章 蜜柑の香り １ ページ2
甘酸っぱい、その香りは……
目が覚めた。気持ちのいい朝だ。僕は基本朝6時には起きる。自然と目が覚める。
洗面所に向かい、トーストを……この香りが、好きだ。
今日も学校だ。好きでも嫌いでもない。ただ、行かなくてはならない場所。嬉しいことを求めてもないし、学びたいことが特別ある訳でもない。
「いってきます。」
麗らかな光が降って、道端の華を照らす。
ここは田舎だからか、こんな風景が多い。優しくって、あたたまる。僕は、好きだ。
……ふと、匂った。あの甘美な香りを。
「おはよう。」
誰が返すでもない挨拶を述べ、席に着く。
(しまった。数１の予習、忘れてた。)
視界に陰が差した。誰だ。暗いじゃないか。
「A、珍しいな！
俺のやつ、見る？」
「翼……えー、んー」
「また変に真面目だな⁉……ほら写せ写せ！」
結局、翼のを写していた。
続く
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作者名：Emiliana Bonneweek | 作成日時：2019年2月24日 0時
