殺意 ページ5
目が覚めると、そこは知らない場所だった。倉庫か何かだろうか、大小様々な段ボール箱が置かれている。
私をここに連れてきたやつらはまだ、私が目を覚ましたことに気づいていない。
特に何かできるわけでもなかろうと、まだ気を失っているふりをしながら彼らの話に耳を傾けた。
しばらくしてリーダー格の男の携帯が鳴った。全員の顔に緊張が浮かぶ。
「…はい。……ええ、そりゃもちろん。ええ。…今頃三途の川を泳いでるでしょうね、ハハハ」
三途の川を泳いでいるのは誰なのか、想像することは容易だった。
「…ええ。ところで、娘がいたので連れてきたのですが、なかなかのモンですよ。まだ12,3といったところでしょうが…、どうでしょう、買っていただけませんかね?…ええ、特にけがなどはしていないようですが…」
どうやら両親を殺すよう仕向けた人間からの電話なのだろう。ということは、仕事ついでに窃盗も働いたということか。そのうえ私も売って金にするつもりなのだ。
「え、鴎外殿が直々に?…いえ、私共はかまいませんが…ええ、わかりました。では5番倉庫におりますので。…失礼します。」
「どうしたんだ?鴎外とか聞こえたが…まさか、森鴎外か?ポートマフィアの」「どうやら仕事でこの近くにいるらしくてな…。どうせならとこいつを買い取れるかどうか直接確認しに来るらしい。とりあえずあと10分ほどでつくとのことだ。失礼なことをするなよ。」
「おら、餓鬼。起きろ。」軽く小突かれ、私は目を開ける。
「ハッ、愛想のねえ餓鬼だなぁ、おい… どうだ?今の気分は?だーい好きなパパとママがいきなりしんじまって涙も出ねぇってか?」
「……たい」「あ?なんだ?」
「家に、帰りたい」
その時、「何か」が起きた。一瞬、光に包まれたように感じ、目を閉じる。
次の瞬間、私は
家にいた。
目の前にはお母さんだったモノが転がっている。
それを尻目にキッチンへ行く。一番大きくて丈夫そうな包丁を手にしたところでふと、我に返った。 私は、何をしている?―――あいつらを殺そうとしている。
答えは簡単に出た。 壁にかけてあった鏡をのぞく。 そこには、怒りに顔をゆがめた少女がいた。 そいつが自分だと気づくと同時にあの倉庫にいた。
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フリスク(プロフ) - 島空太さん» コメありがとうございます! ごめんなさい、一回リクエスト案を消してしまいました…でもそのうち書きます!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2017年4月8日 9時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
島空太(プロフ) - プリン食べられて…っていうやつが気になりますねェ…(。-∀-) (2017年4月8日 4時) (レス) id: ad1d4b6253 (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - 藤猫さん» コメありがとうございます! 毎回どんな風に書こうか悩みながらポチポチやってるのでそう言って褒めて頂けると凄く嬉しいです! これからも頑張って書いてきますね( ´ω` )/ (2017年3月20日 8時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
藤猫(プロフ) - 文章に台本書きや顔文字を使わずに書かれた、小説らしい小説だと思いました。謎解きも面白くて、構成も整っていると思いました。とても好感の持てる作品で、これからも読み続けたいです。楽しみにしています!偉そうな感想、長文失礼しました。更新頑張ってください! (2017年3月20日 2時) (レス) id: 59331f3ebf (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - 物部さん» コメありがとうございます! 小説書くのは初めてだったので文章が綺麗と言っていただき嬉しいです!あんまり文ストキャラと絡ませられませんでしたが…w 頑張って更新しますね! (2017年3月19日 10時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フリスク | 作成日時:2017年2月7日 19時