捜査 其の三 進展 ページ28
人虎君が急いで座り直す。
「おまたせしましたー… どうぞ」
目の前に置かれた紅茶からいい香りが立ち昇る。が、湯気は立っていない。冷ましてくれたのかな?
「急ぎの用事、と言う事でしたが?」太宰さんと向かい合うように座ったみっちゃんが云った。
「そうですね、先ず聞きたいのは防犯カメラと見張りの教師の配置について。」太宰さんが何でもないことのように言う。「あと、今日の午前中に何をしていたか、ですね。」
みっちゃんは相変わらず笑顔のままだ。 何を考えているのかは、判らない。
「配置、ですか。 そりゃあ勿論教師たちの目の届かないところを重点的に、ですね。予算の関係もあり取り付けることができたのはほんの3,4か所のみですが…でも、元からついていたカメラもありますし数はありますよ」
みっちゃんは、なんなら見ますか、と立ちあがり地図らしきものを持ってきた。
三人でのぞき込む。 其れは校内の地図で、防犯カメラの設置してある場所には赤丸が付いていた。
「カバーしきれて居ない処も、いくつかあるようですね」人虎君が地図を指し示す。
「ほら、この体育館の西側とか、部室棟の付近とか。他は…」
人虎君が挙げたいくつかのうち、三つが今までに悪戯された場所だ。確かに、カメラのないところを狙っているという感じは否めない。
「あとは午前中何をしていたかですけれども、少し遅めに起きた後朝食を食べて散歩をしてきましたよ。…それが何か?」
散歩、と来たか。 散歩ならば公園に訪れていても可笑しくはない。
「公園まで歩いてきました。 地面がぬかるんでいたので早々に退散しましたけれどもね。」
「その時に、誰かに会いましたか?」太宰さんが少し心外そうに聞く。大方みっちゃんが怪しいと睨んでいたのだろう。
「そういえば、会長…宮崎さんに会いましたよ。 どうも誰かを待っている様でした。 デートとかだったら申し訳ないので話しかけませんでしたよ」「何時ごろですか?」「多分、11時ごろかと。」
私たちが会長に会う20分ほど前だ。
なにか言いかけようとした太宰さんの言葉を遮るように携帯電話がなった。
「すいません、席外しますね… はい、中島です。ええ、…」
少しして人虎君が青い顔をして戻ってきた。
「如何したんですか?」「それが…」
また同様の悪戯があったらしい。しかしいつもと違うところがあった。
「チョークを持った宮崎さんが近くで見つかった、と」
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フリスク(プロフ) - 島空太さん» コメありがとうございます! ごめんなさい、一回リクエスト案を消してしまいました…でもそのうち書きます!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2017年4月8日 9時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
島空太(プロフ) - プリン食べられて…っていうやつが気になりますねェ…(。-∀-) (2017年4月8日 4時) (レス) id: ad1d4b6253 (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - 藤猫さん» コメありがとうございます! 毎回どんな風に書こうか悩みながらポチポチやってるのでそう言って褒めて頂けると凄く嬉しいです! これからも頑張って書いてきますね( ´ω` )/ (2017年3月20日 8時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
藤猫(プロフ) - 文章に台本書きや顔文字を使わずに書かれた、小説らしい小説だと思いました。謎解きも面白くて、構成も整っていると思いました。とても好感の持てる作品で、これからも読み続けたいです。楽しみにしています!偉そうな感想、長文失礼しました。更新頑張ってください! (2017年3月20日 2時) (レス) id: 59331f3ebf (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - 物部さん» コメありがとうございます! 小説書くのは初めてだったので文章が綺麗と言っていただき嬉しいです!あんまり文ストキャラと絡ませられませんでしたが…w 頑張って更新しますね! (2017年3月19日 10時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フリスク | 作成日時:2017年2月7日 19時