捜査 其の二 ページ26
「「「うーん」」」
ランチセットを早々に平らげ、残ったのは空のお皿と疑問符だけ。
ただ、一つだけ気に成ることがある。
なぜ、聖良学園だけ三回も被害にあったのか。
其れに関しては太宰さんもお手上げらしく先ほどからずっと黙り込んでいる。
「あのさぁ」「はい?」「そのみっちゃんという人に会えないかな。」
中也さんに学級連絡網の写真を送ってもらい、書かれていた電話番号をプッシュする。
ちょうど家にいたらしくみっちゃんは直ぐに出た。
太宰さんが適当に理由をつけてアポを取り付けた。「そんじゃ、行こうか。」 そう云った太宰さんは少し楽しそうだった。
「でも、なんでみっちゃんなんですか?」「君、さっき言っていたよね」
――――「みっちゃん?」「あ、私たちの担任です。 そういえば、防犯カメラの設置はみっちゃんの提案らしいですよ。 提案者だから、ということで責任者も兼ねていたようです」――――
「話を聞く限り、三回も被害にあっているのに防犯カメラにに何一つ引っかかっていないのだろう? 少し、気に成ってね。」
太宰さんが何を云いたいのかは分かった。
若しかしたら犯人はカメラに映っていないのではなく、映らないところを知っていたのではないか。
だとしたら、何処にカメラを取り付けるかを決められる人間がグルに成って居る可能性が高い。
その決められる人間、というのがみっちゃんだ。なにせ責任者なのだから。
「まァ、これは只の推測でしかないし他の被害にあった場所―――公園や地域センターだね―――はどうしたのか、という疑問も出てくる。 聞きに行くのは只の気休めみたいなもんだよ」
話しているうちにみっちゃんの住む場所についた。 随分と年季の入ったアパートで、壁には消えかけの落書きらしきものもいくつかある。
そのうちの一つに既視感を覚えたような気がしてよく見ようと目を細めた。
が、薄かったせいもあり見失ってしまった。
気のせいだろう。自分に言い聞かせて三田、と書かれた表札の下にあるチャイムを押した。
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フリスク(プロフ) - 島空太さん» コメありがとうございます! ごめんなさい、一回リクエスト案を消してしまいました…でもそのうち書きます!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2017年4月8日 9時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
島空太(プロフ) - プリン食べられて…っていうやつが気になりますねェ…(。-∀-) (2017年4月8日 4時) (レス) id: ad1d4b6253 (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - 藤猫さん» コメありがとうございます! 毎回どんな風に書こうか悩みながらポチポチやってるのでそう言って褒めて頂けると凄く嬉しいです! これからも頑張って書いてきますね( ´ω` )/ (2017年3月20日 8時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
藤猫(プロフ) - 文章に台本書きや顔文字を使わずに書かれた、小説らしい小説だと思いました。謎解きも面白くて、構成も整っていると思いました。とても好感の持てる作品で、これからも読み続けたいです。楽しみにしています!偉そうな感想、長文失礼しました。更新頑張ってください! (2017年3月20日 2時) (レス) id: 59331f3ebf (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - 物部さん» コメありがとうございます! 小説書くのは初めてだったので文章が綺麗と言っていただき嬉しいです!あんまり文ストキャラと絡ませられませんでしたが…w 頑張って更新しますね! (2017年3月19日 10時) (レス) id: 53bb568289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フリスク | 作成日時:2017年2月7日 19時