その女子高生、ポートマフィアにつきご注意ください。【文スト】

掃除 ページ19

「おわったぁぁぁ！」

今日は期末テスト最終日。
後ろの莉帆は机に突っ伏したまま「赤点…補修…居残り…」とぶつぶつ言っている。


「勉強しないからでしょーが」亜美の鋭いツッコミにも顔をあげない。
よほどできなかったようだ。


４人の中で上位にいるのが亜美とミチル。で、中盤が私で莉帆は補修常習者だ。
そのミチルは今日は風邪を引いたようで休み。
あとで、ラインでもしておこう。

「「「さよならー」」」
帰りの挨拶もそこそこに、部活に行く者、友達とお喋りを始める者、帰る者、全員が一斉に動き出す。


莉帆と亜美は部活に所属しているので玄関で二人と別れる。


少し歩くと後ろから橘さーん！と誰かに呼び止められた。
「あ、みっちゃん。何ですか？」 今年で３０になる担任の三田だった。彼女を作ることが毎年の目標らしい。 愛嬌のある丸顔で生徒からは大分人気がある。尤も、いじるのが楽しいという理由からだが。 みっちゃんという愛称で親しまれている。


「あのですね、さっき生徒会の人が召集されることになりまして、そのうち放送もかかるとは思うんですが…たまたま見かけたので呼びました。…何か急ぎの用事でもありますか？」
みっちゃんが言い終わると待っていたかのように生徒会の生徒は集まるように、との放送が流れた。

「いえ、特にありません。わざわざ有難う御座います」どうせ、気まぐれな会長が何か思いついたのだろう。
いってらっしゃーいというみっちゃんの声を背に、校舎へと引き返した。






「諸君！テストも終わった後で疲れているだろうが集まってもらって済まない！今日集まってもらったのはな…」
うちの会長は相変わらず声がでかい。もう慣れたけれども。





「「「「「そうじぃ？」」」」」
うむ、とうなずくと会長は話をつづけた。「最近校舎に落書きをしたり塵を投げ入れたりする不埒な輩がいるようでな。 まだ大した被害は出ていないから警察には届けていないが…大方受験やらなんやらでストレス発散をしたい生徒の仕業だろうということになった。」

「それをきれいにすると？」 一つ上の山中副会長がたずねた。

「ああ。いつまでもそのままというわけにはいかないしな。…学校からは少し差し入れが来るらしいぞ」


嗚呼、なんて現金な人たち。差し入れと聞いた途端掃除用具を手に生徒会室を飛び出していった。

「うちらも行こうか、橘さん。」「そだね」
私も掃除用具を持ち現場へと向かった。

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