その女子高生、ポートマフィアにつきご注意ください。【文スト】

もう、やってらんねーぜ！ ページ1

まったく、人使いが荒いったらありゃしない！

私が首領から「エリスちゃんがケーキを食べたいと言って聞かなくてねぇ。でも私は、ほら、御覧のとおり忙しくて忙しくてとても買いに行けないのだよ…でもエリスちゃんの望みならなんでも聞いてあげたいだろう？…で、君は今、暇なのだよね？ね？」と言われたのが今から３０分前。

そりゃあ、いきなり「緊急事態だ。」とだけ電話が来たら行かないわけにもいかないでしょ！？
で、急いで行ってみればケーキのお使い。ま、いいか。おつりで自分の分も買ってしまおう。

そんなことを考えながらケーキ店に入るとひんやりとしたクーラーの風が私を包み込む。
「あぁー涼しいーーーー」こわれたラッパのような声でつぶやくと後ろからふふふ、と笑い声が聞こえた。 今のを聞かれたのか？！若干赤面しつつ後ろを振り向くと、そこには見知った顔。


「あれ、ミチルじゃん。どして？」 「あのコンビニの角んとこでAちゃんを見かけてね。後ろから驚かそうかと思ってタイミング狙ってたんだけど…」
ははぁ。私があまりにも怖い顔をしているので話しかけられなかった、と。

「うん！でもどうしたの？明らかにケーキ買いに行く顔じゃなかったよ？」
「あーそうなの！あのね…」
言いかけてから私は口をつぐむ。 ミチルが不思議そうな顔でこっちを見る。
「…やっぱ何でもない。 ミチルもケーキどう？おごるよ？」
やったー私ね、モンブラン！ はしゃぐミチルを横目に私は自分に言い聞かせる。


私がマフィアだってことは、なにがあってもばれちゃいけないんだから。

ばれちゃいけない→

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