フェチズム

再会 ページ5

2017年大学４年生となった秋頃、俺は大学卒業後プロになることを宣言した。

同時に俺はスケジュールを管理してくれる会社と契約を結んだ。
今日はその話し合いに出向いていた。

そこには、年上のスーツを着た男性と…あの子がいた。イタリアで会ったときよりかなり濃い化粧をしているが確かにあの子だった。

彼女も分かっているようで俺を見てペコペコと申し訳なさそうに頭を下げた。

上司が俺達の様子を見て「え？知り合い？」なんて彼女に聞くから

「仕事でイタリア行った時にたまたまお会いしたことがあって…」なんてしどろもどろ…。

俺は彼女に対して冷たい目を向けてしまった。


上司が契約内容とかの説明をしてくれた。
俺の場合はTVや雑誌の取材のスケジュール管理が主になる。

「実際は佐藤のほうが管理調整していきますので、あとは二人でお話下さい。私は所用がありますのでこれで。」と立ち去ってしまった。


彼女が申し訳なさそうに口を開いた…

「あの、その節はご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。さらにその後連絡も出来ず重ねてお詫びします。」と深々と頭を下げた。

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