ゆらぎ

46 -woojin side- ページ48

夏休みに入ったのにまだどこにも遊びに行ってない。毎日、部活漬けの日々。8月に開催されるダンス部の夏季大会に向けて猛練習中だ。


「ワン！ツー！スリー！フォー！ここで広がって足をこう！」


「えっ？…ちょ、もう１回！」


ヒョンソプと同じチームになった俺はコイツを猛特訓中。


「ゆっくりでいいから確実に覚えて」


「はい！先生！おねしゃす！」


「ウジニ〜どうだヒョンソプは？」


「ちょっと時間かかってますけど今週中には振り覚えられそうです」


「りょーかい！ありがとな、お前がヒョンソプみてくれてるから助かる」


比較的振りを覚えるのが早いおかげで1年のリーダーに選ばれて部長のニエリヒョンと一緒に振り付けも考えるようになった。


「文化祭のことなんやけど、なんかやりたいことあったら言うてな。今練習してるやつ文化祭でもやるけど他になんかおもろいことしたいし」


「はい！ヨジャグルのダンスしたいです！」


「お前はまずゲットアグリー全部覚えろ」


「ははっ、オッケー！ヨジャグルのダンスな！考えとくわ！あ、そういえばウジンの彼女来てるで。さっきまで練習見てたんやけど、どこ行った？」


「Aが！？」


練習室には姿が見えなくて慌てて廊下に出るとベンチに座っていた。隣にはテドン先輩が座って楽しそうに話している。


またか！


「A！」


慌てて駆け寄ると俺に気付いて立ち上がる。


「ウジニ！じゃあテドンせんぱい、練習がんばってくださいね！ウジニもがんばってね！」


それだけ言うと行ってしまった。


「え？冷たくない？テドン先輩とはしゃべってたのに俺には一言だけ！？なぁ、冷たくない！？なんで！？」


通りかかったジフンの肩を掴んでグラグラ揺さぶると心底面倒くさそうな顔をして、そういう時もあるんじゃね？と行ってしまった。


「ウジニが練習してるとこすげー真剣に見てたよ。邪魔しないように気を遣ったんじゃない？」


「ホンマですか！？」


「ふはっ、それにしてもAちゃんって危なっかしいよな。さっきベンチに座ろうとしてつまづいてたし」


「そうなんっすよ！なんもないとこで転けますからね！よくボーッとしてるし」


「あぁ〜だから変な奴に声かけられたのか」


「変な奴？」


「祭りの日にナンパされて−−」


「祭り！？ナンパ！？なんっすかそれ！？」


「え…(やべぇ言っちゃダメなやつだったか)」


「詳しく聞かせてください！！」

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