【ONEPIECE】イケメンで高身長で気遣いもできるけど…………【男主】 (ページ10)

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8回目の残念ページ10

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『……よし、後は俺に任せろ』

彼の言葉が頭にこびりついて離れない。

颯爽と去っていくその後ろ姿がかなり鮮明に焼き付いてしまった。

彼とは歳もあまり違わないはずだ。なのに、

「………俺は少し貴方のことを侮っていたようだ」

疑心が残っていたにも関わらず、俺は彼に向ける考え方が変わった気がした。

少し話しただけだ。

体感的には10分も話していないように思える。

少しの会話だけで犯人の目星がついてしまうとは。

いや、元々心当たりがあったのか？

考えられる可能性は沢山あるのに、すぐさま判断を下して行動に移せる彼。

ようやく、皆が言っていた＂副船長＂という人物がどのような人なのかよく分かった気がした。

少しのヒントで正解に辿り着く、その正確さ。

瞬発的理解力と行動力の高さ。

そして何より彼になら任せてもいい、と思える安心さ。

多分、声だと思う。

彼の声でものを言われると物凄く安心する。

ほろ苦いコーヒーのような低めの声。
あの声で任せろなんて言われたら。

すとん、と何か腑に落ちた。

俺は、この人になら着いていきたい。

「なるほど……」

そりゃあ誰でも偉大だと言いたくなるだろう。

あの人が粋な人だと言うのも理解ができた。

「お、イゾウ隊長！探したんですよ〜！」

「……」

「あれ、イゾウ隊長？」

「……」

「おーい、イゾウ隊長ーーー？？？」

「……なぁ」

「え"っ、は、はい！？なんすか？？」

「副船長、良い人だな」

本音だ。貴方には敵わないと思わせられる。

隊員は目を飛び出させてそのまま尻もちを着いた。なんだ、大袈裟だな。

「イッ、イイイイ、イゾウ隊長が、ッ！！！」

「なんだ？」

「あんなにタツさんのことをよく思われていなかったイゾウ隊長がッ、……おれ"っ、感"激"で"す"っ…！！」

「本当に大袈裟なやつだな、俺だって褒めるさ」

「これは親父に報告ですね！！！」

「は？」

「おれいってきます！マルコ隊長にも伝えてきますね！

マルコ隊長ぉぉぉぉお"！！！イゾウ隊長がタツさんのことを！！！ついにッ！！！」

「！！親父ーー！！今夜は宴だよい！！」

「グララララ……！！よしきたァ、サッチ！！酒だなァ！！！」

「おうよ！任せな〜！！！」

「はぁ………どいつもこいつも…」

「イゾウのやつ、口元が緩んでるよい」

「副船長の沼にハマりましたねぇ」